日本ハム対オリックス 1回裏日本ハム1死、矢沢は右越え本塁打を放つ(撮影・足立雅史)

<日本ハム4-6オリックス>◇6日◇エスコンフィールド

3連敗と苦しい中、若武者がバットで輝きを放った。

「2番中堅」でスタメン出場の日本ハム矢沢宏太投手(24)が、ルーキーイヤーの23年4月30日以来707日ぶりの本塁打。5回無死一塁では中前打を放ち2得点をお膳立てするなど、2安打1打点と気を吐いた。昨季まで二刀流調整を続けるも、3年目の今季は外野手でのレギュラー奪取を掲げ野手調整してきた成果が、徐々に出てきた。

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豪快にはじき返した。1回1死、矢沢はオリックス先発高島のボール気味の高めカットボールを引っ張った。打球は「ギリギリです。エスコンありがとう」と右翼側ブルペンに吸い込まれ、23年4月30日ソフトバンク戦以来707日ぶりのプロ2号。5回無死一塁では山崎から中前打を放ち3、4点目もお膳立て。先発起用した新庄監督は「今日はフリーバッティングを見てオーダーを決めると決めて、矢沢君が良かった。いきなり答えを出してくれて、その後もセンター前をうまく打って」と、喜んだ。

“異種授業”が最高の化学反応を起こした。試合前は2軍の佐藤打撃コーチから「クリップ位置をちょっと下げて、リラックスして構える」と連絡を受け、1軍の八木打撃コーチから「シュッという感じで振っている。もっとピッチャーのフォームに合わせてグワーっと振れ」と助言を受けた。矢沢は「八木さんの感覚的な話と(佐藤)友亮さんのアドバイスが、いい感じに働いた」と、感謝した。

半面、経験の浅い外野守備では、判断ミスで流れを変えてしまった。2回2死二、三塁で福永の中堅への打球を猛ダッシュで背走。難しい体勢からグラブに当てたが、捕球できなかった。名手だった新庄監督は「外野手をやり始めて最初によくある。正面の打球に(対する処理で)、1回(体を)沈んで待ってしまった。グラブに当たったんで捕らないといけなかった」と指摘。矢沢も「取れていたら試合の結果も変わっていた。あれを取れるように練習したい」と反省した。

試合後は森本外野手守備走塁コーチの“補習”を受講。矢沢は「足を前後に開いて判断した瞬間に1歩目をすぐ切れるように。待ち方、判断するまでの構え方っていうのを話してもらいました」。最速152キロの肩と、50メートル5秒台の足に経験が積み重なれば大きな飛躍につながる。YAZAWAは失敗から学び、成りあがる。【永野高輔】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】矢沢宏太707日ぶり本塁打「ギリギリ」“異種授業”が最高の化学反応