青森山田ナイン(2024年11月24日撮影)

<JA共済杯 第31回日本リトルシニア全国選抜野球大会>◇3月25日~4月1日◇大阪・大阪シティ信用金庫スタジアム◇48チーム

青森山田シニアが初めて春の4強入りした。3月31日の準決勝で奈良西に3-6で敗れたが、各地の代表を相手に接戦をものにして3勝を挙げ、堂々の全国3位。春の訪れが遅い、東北勢では昨年の東北楽天に続く2度目の快挙なのだが、試合が終わった瞬間、中條純監督はベンチ前に選手を集めた。「一瞬の活躍じゃなく、準備からしっかりやらないと、3位の壁は越えられないぞ」。

新3年生は21、22年の夏の日本選手権連覇に憧れて入部した世代だ。以後、23年の選手権3位、24年はジャイアンツカップ3位と同じ「壁」に泣いた。尾崎凱來主将(3年)は「僕たちは中学でも高校でも日本一になりたくて青森山田に入ったんです。日本一のためなら一致団結できるんです」。

尾崎が埼玉・所沢からやってきたように、全国から同じ夢を抱いた仲間が集まった。数年前まで小学生だった彼らは、親元を離れ、野球に打ち込むだけでなく、厳しい冬にも耐え、人間力も磨いてきた。

どのチームのベンチ裏も、シューズやバッグが整然と並ぶが、青森山田はレベルが違う。シューズは一直線で、ファスナーをきっちり閉じたバッグは、互いを支え合うように直立。すべてを整えて試合に臨むから、次々接戦をものにできた。この姿勢があれば、必ず壁は越えられる。そう信じるからこそ、中條監督は厳しい声を突きつけた。「自分たちで勝ち切れ!!」。

尾崎主将は「まだ甘い、スキがあるんです。でも、監督は『まだ春だ。夏がある』とも言ってくれました。一致団結します」と前を向いた。

中学でも高校でも日本一。覚悟を持って集まった仲間たちしか見ることができない夢は、まだ続く。【久我悟】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 青森山田シニア初の春4強 中條監督「準備からしっかりやらないと、3位の壁は越えられないぞ」