巨人対ヤクルト 10回裏巨人にサヨナラ負けを喫し喜ぶ巨人を見ながら引き揚げる奥川(中央)、田口ら(撮影・浅見桂子)

<巨人6-5ヤクルト>◇28日◇東京ドーム

初の開幕投手に任命されたヤクルト奥川恭伸投手(23)が、6回7安打無失点と粘投した。この日最速の151キロ直球とフォーク、スライダーを織り交ぜ、3度のピンチをしのいだ。1回は無死二、三塁、2回は1死満塁と攻められたが、粘り切った。オープン戦では中盤以降に球威が落ちていたが、この日は5回以降も150キロに迫る球威を保ち、巨人打線を相手に力で負けなかった。

5回には2死からキャベッジに二塁打を浴び、一打同点のピンチを背負ったが、吉川の抜けたかという当たりを遊撃の長岡がジャンピングキャッチ。ピンチを切り抜け、安堵(あんど)の表情で野手1人1人をベンチ前で出迎えた。「みなさんに点を取ってもらって守ってもらって。野手のみなさんに感謝です」と口にした。

プロ6年目。21年に9勝を挙げてリーグ優勝&日本一に貢献。以降は離脱が相次ぎ「実績的にも全然、そんな開幕投手に選ばれるようなピッチャーじゃない」と謙遜していた。だが大一番のマウンドでは不安を見せることなく、役割を全うした。

奥川は勝利投手の権利を持ったまま降板したが、チームは9回に追いつかれ、延長戦でサヨナラ負け。開幕戦勝利はならなかったが、高津監督は「(抜てきは)本当に正解だった。よくゲームをつくったと思います。スタートとしてよく頑張った」と振り返った。【佐瀬百合子】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ヤクルト】奥川恭伸、初の開幕投手で粘投6回無失点 逆転負けも「抜てきは正解」高津監督