準決勝の横浜戦に向けて最終調整する健大高崎の石垣(撮影・平山連)

第97回選抜高校野球大会(甲子園)は28日に準決勝が行われる。休養日の27日は4校がそれぞれ調整した。連覇を狙う健大高崎(群馬)は兵庫・西宮市内で練習。最速158キロのエース石垣元気投手(3年)はキャッチボールやシートノックなど、軽めのメニューで汗を流した。昨秋の関東大会決勝で敗れた横浜(神奈川)へのリベンジに燃え、先発を志願した。智弁和歌山は、初出場ながら快進撃を続ける浦和実(埼玉)対策を徹底する。

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時は来た。健大高崎のエース石垣が、待ちに待った機会へ気持ちを高ぶらせた。昨秋の関東大会決勝で敗れた横浜との再戦を前に「去年負けて、もう負けたくないという思いで冬に練習してきました。冬にやってきたことを出すだけ」と力を込めた。大一番では「自分も先発でいきたいと思っています」と切望した。

前回の対戦では延長10回タイブレークの末に、自身が決勝打を浴びた。打たれた映像を何度も見返し、あの時の悔しさを忘れまいと胸に刻んだ。冬場は下半身の強化に取り組み「1球にこだわることは練習でもやってきました」と自信を持つ。あとは甲子園の舞台で発揮するだけだ。

大会直前に左脇腹の張りを訴えリリーフ起用が続いたが、準々決勝の花巻東(岩手)戦では甲子園最速タイ155キロを計測。上り調子だが「失投を一発で仕留めてくる」と横浜打線への警戒を緩めない。阿部葉太主将(3年)を特に注意し「ホームランを打っているんで、乗りに乗っていると思う。ギアを上げて、しっかり抑えることができれば」と口にした。

奥村頼&織田のダブルエースとの投げ合いにも注目が集まる中で「自分と下重も一緒」と対抗した。青柳博文監督(52)が「(先発は)下重か石垣」に託す方針を示す中で、石垣は「下重が結構投げているので、明日は自分が多いイニングを投げたい」と目標を掲げた。勝てばグッと近づく、史上4校目の連覇。命運はいかに。【平山連】

◆昨秋の関東大会決勝の横浜対健大高崎 横浜が延長10回タイブレークの末に4-3で勝利した。序盤からリードを許したが、2度の同点に持ち込み食らいついた。8回から登板したエース奥村頼が3回無失点の好救援で流れを引き寄せると、延長10回裏1死二、三塁の場面で奥村凌がサヨナラ適時打。健大高崎のエース石垣の直球を打ち崩し、激闘に終止符を打った。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【センバツ】健大高崎・石垣元気「もう負けたくないと思いで練習」横浜への雪辱に燃え先発志願