西武対オリックス 6回表オリックス2死満塁、中島は走者一掃の適時二塁打を放ち塁上でガッツポーズをみせる。遊撃手呉念庭(2016年8月撮影)

前中日の中島宏之内野手(42)が27日、自身のインスタグラムで現役を引退することを表明した。

00年ドラフト5位で西武に入団。4年目から遊撃の不動のレギュラーで活躍した。大リーグのアスレチックスを経て、オリックス、巨人、中日と渡り歩き、NPB通算1928安打をマークした。

日本代表でもプレーし、08年には北京五輪出場、09年の第2回WBCでは世界一に貢献した希代のバットマンが、静かにバットを置いた。

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中島は、自身の去就がネット記事になる度に「みなさん、僕のことを記事にしてくれて、ありがたいです」と笑った。一部には事実無根の話も見られたが、中島は「どこからの情報なんよ」と突っ込んだ。「僕のことを知ってる人は、真実を知ってくれてますから。せっかくなら面白く書いてほしいですけどね」とほほ笑んだ。

あの時も、多くは語らず、思いは胸に秘めた。大リーグのアスレチックスを退団し、日米の複数球団との交渉に臨んだ14年オフ、NPBからは古巣の西武、阪神、DeNA、中日、オリックスからオファーが届いた。「西武でプレーしたから、今の僕がある。やっぱり特別な思いはあります」と思いを明かし、代理人を通じ、交渉に入った。

「必要としてくれるチームに行きたいです」と各球団とじっくりと話をする意向で、交渉には時間を要した。その過程で、西武からは条件面を白紙にする意向を伝えられた。代理人を通じた交渉で球団の真意もわからず、ショックを受けた。悩みに悩んだ末に、積極補強で優勝に本気度を示し、愛着ある関西のオリックスへの入団を決断した。

昨年11月、同い年でレスリングで五輪3連覇を達成した吉田沙保里らから勧められ、インスタグラムを始めた。公の場で多くを語るタイプではなかったが、自身の思いが少しでも伝わる場所になればとの思いも込められた。「24年間、たくさんの応援をありがとう」。この日、更新されたインスタグラムで真っすぐな思いを伝えた。【久保賢吾】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 移籍も去就も多くを語らなかった中島宏之が自身のインスタグラムに込めた真っすぐな思い