日本対サウジアラビア 試合前、板倉(左)と話す高井(撮影・垰建太)

五輪からW杯へ-。昨夏のパリ五輪に出場したMF藤田譲瑠チマ(23=シントトロイデン)DF関根大輝(22=スタッド・ランス)DF高井幸大(20=川崎F)が26年W杯北中米大会アジア最終予選サウジアラビア戦で23人のメンバー入りを果たした。継続的に選出されてきたが、全員がベンチ入りするのは初めてで、高井は初先発を勝ち取った。パリで8強で涙をのんだ若きサムライたちが北中米で最高の景色を見るために、1歩前進した。

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ようやくパリ五輪組3人衆全員がピッチに立つ権利を得た。高井は昨年9月から、藤田と関根は昨年10月から継続的に代表に選出されてきたが、W杯出場を決めたバーレーン戦までにピッチに立ったのは高井の1度のみ。好調なチームの中で主力を脅かすことはできなかった。

下克上を狙っていく。昨年9月のホーム中国戦でデビューを果たした高井はW杯出場決定後「1試合、1試合大切な試合になると思いますし、自分もその中でチームの力になれるように」と静かに闘志を燃やした。仕切り直しのサウジアラビア戦で初先発を奪取。「自分の実力が足りないのはわかってはいるのでうまく自分の成長の曲線を上げながら頑張りたい」と1年3カ月後を見据える。

パリ五輪で主将を務めた藤田は現状に全く満足していない。昨夏はピッチ内外で輝きを放ったが、A代表ではその実力を示せないでいる。「まだチームの一員になれている気はしていない」と思いを吐露。サッカー選手たるもの「試合に出てなんぼ」。中盤は遠藤、守田、田中の3枚が鉄壁で出場機会はなく「自分のプレーをして必要とされる選手になって初めてチームの一員になれる」と言い聞かせた。

海外移籍を経験した関根はサウジアラビア戦で初めてベンチ入りした。拓大から1年前倒しでプロ入りし、五輪を経験。急速に成長を遂げている。「(パリで)ああいう悔しい思いがあって今、やってきている。その責任を持ちつつ、食い込んでいくためには結果も残さないと」と目線が上がった。21年の東京五輪から22年W杯カタール大会にはオーバーエージを除き9人がメンバー入りした。昨夏のスペイン戦後、チームを率いた大岩監督から「1人でも多くサムライブルーに入ることが私自身の望み」とエールを送られた。パリ組の奮起が代表の強化につながる。【佐藤成】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本代表】藤田譲瑠チマ、関根大輝、高井幸大のパリ五輪組ベンチ入り W杯での雪辱へ1歩前進