【日本代表】藤田譲瑠チマ「まだチームの一員になれている気はしてない」ピッチで価値証明へ
日本代表が23日、千葉市内で、26年ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選サウジアラビア戦(25日、埼玉)に向けて活動した。DF長友佑都(38=FC東京)のみが別メニュー調整で、他の24人は約1時間30分間、汗を流した。冒頭15分が報道陣に公開され、リラックスした表情でボール回しなどを行った。
バーレーン戦でベンチ外となったMF藤田譲瑠チマ(23=シントトロイデン)は危機感を口にした。
昨夏のパリオリンピック(五輪)では主将としてピッチ内外でチームを引っ張り、高い評価を受けた。昨年10月からはA代表にも継続的に選出されているが、出番はない。「日本国としては素晴らしいことだと思いますし、でもやっぱ自分の中では試合に出られない悔しさだったりっていうのがやっぱ一番でかかったですし、まだなんていうか、チームの一員になれている気はしてないなというのはあります」と悔しい思いを吐露した。
中盤には遠藤航主将、守田英正という不動の2ボランチに加え、前回大会を経験した田中碧も控える。分厚い壁を越えないといけない。3人に比べて、自分の実力を証明しないといけない立場。「サッカー選手である以上、試合に出ないと自分の価値は示せないと思います。試合に出て、自分のプレーをして、必要とされる選手になって初めてチームの一員になれるのかな」と思いを語った。
無論、チーム内に居場所がないわけではない。「チームメートのみんなはすごい優しいので、いろんなことを話してくれたり、そういったところで別に疎外感を感じてるわけではないです」。それでもプレーで貢献したい思いが強い。
W杯出場権を獲得し、メンバー入りへのサバイバルが始まる。「自分の良さはリカバー、セカンドボール拾うところだったり、相手の攻撃の芽を摘むところで、攻撃の面で言えばいろいろなところに顔出してテンポを上げるようなところなので、そこはみんな持ってると思いますけど、少しでも自分の色を出しながらやれたら」。攻守の総合力の高さがウリだ。高い競争力はチーム力の底上げにつながる。ギラギラ感を失わずに本番までの1年3カ月を駆け抜ける。【佐藤成】