【ソフトバンク】開幕5番は白紙…小久保監督「今の中村晃の姿を見て何を考えるか」若手のアピール不足に怒
<オープン戦:広島1-3ソフトバンク>◇23日◇マツダスタジアム
指揮官の発言に何を考え、何を思うか。パ・リーグ連覇を目指すソフトバンクは23日、オープン戦の全日程を終えた。小久保裕紀監督(53)は若手のアピール不足に対し怒り口調で総括。正木智也外野手(25)が大本命だった「開幕5番」と「外野の残り1枠」は白紙に戻り「2軍も含めて状態のいい選手を積極的に上げる」と猛ゲキ。開幕まで残り1週間弱。最善のメンバーを慎重に見定める。
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冷静な小久保監督が珍しく感情的になった。オープン戦ラストだった敵地広島戦後の総括。自ら「開幕5番」や「外野の残り1枠」について言及、若手のアピール不足を嘆いた。囲み取材を終えようとした瞬間の立ち去り間際にも、再び報道陣に切り出した。
「本当は5番DHに中村晃を置くと一番得点力があると思う。では、なぜそうしないか。長く強いチームを作る環境を整えるのは僕しかいない。だからこそ1枠を空けている。今の中村晃の姿を見て(若手が)何を考えるか」
「開幕5番」は栗原が本命だったが、右脇腹を痛めて開幕アウト。オープン戦中盤から「2番近藤-3番柳田-4番山川-5番正木」を組み「この打順でいくことになると思う」と話していたが「あの発言は撤回」とまさかの急転白紙だ。新5番のはずだった正木がオープン戦打率1割9分2厘。この日も犠打1つを含む3打数無安打に終わった。正木のブレーキが再考の発端だ。「あの数字はレギュラーじゃない。2軍はずっと試合をしている。2軍も含めて状態のいい選手を積極的に上げる」。代打に専念した中村は、この日はDHで1安打。20打数8安打で打率4割フィニッシュ。プロ18年目のベテランは数少ないチャンスで結果を出した。若手の奮起を促すべく指揮官は噴火した。
「外野の残り1枠」については、今季は柳田がDHとの併用になる。柳田か腰に張りを訴える近藤がDH起用の場合、左翼か右翼に1枠空きが生まれる。正木や2軍降格が決まった柳町らがチャンスをつかみきれなかった形になった。「結果的にこの打順で行くかもしれない。でも、もう1回考え直します」と小久保監督。常勝軍団の礎を築こうとする指揮官のメッセージや代打に絞った中村晃の覚悟を、若手はどう感じるか。開幕まで、もう1週間を切っている。【只松憲】