日本対バーレーン 後半、守備でボールをカットする板倉(撮影・江口和貴)

<ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選:日本2-0バーレーン>◇20日◇C組◇第7戦◇埼玉

世界最速、日本史上最速でFIFAワールドカップ(W杯)切符をつかんだ第2次森保ジャパンは、最終予選7戦で歴代最少の2失点と堅守が光った。立役者がDF板倉滉(28)だ。冨安が長期離脱し、谷口や町田も終盤不在と負傷禍に見舞われた最終ラインの中で唯一、センターバックで全試合に先発して統率した背番号4が、ドイツ・メンヘングラッドバッハと日本で日刊スポーツに思いを打ち明けた。【構成=佐藤成】

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まずは決められたことで少しホッとはしていますけど、試合は続いていく。これからW杯優勝に向けて、チームとして、また積み上げていけたらと思います。

前回大会と比べ、試合に出ながら最終予選を戦えていることは素直にうれしいことだし、その厳しさを肌で知っているからこそ、順調に来られたと思います。

ただ「余裕」だったわけではありません。細部にフォーカスしてみれば、アウェーのインドネシア戦で最初に決定機をつくられたところや、結果的に4点、5点と入った試合でも、なかなか厳しいシーンはありました。緊張感を持ちながらやってきたことが良い結果につながったと思います。

率直に、前回より個々のレベルは上がっているし、チームとしての積み上げもできていると感じます。みんな向上心が強いし、まず個がレベルアップしないといけない、と思わされる関係性。勝ったとしても、中身を求めて改善していくことをみんなで話しますし。

個性は強いですけど、みんながみんな「やってやるぞ」という集団ですね。守備の堅さをよく言われますが、後ろの選手として感じることは、チーム全員の守備がすごい。前線の選手の守備意識があってこその失点の少なさだと思います。

個人的なターニングポイントは、やはり昨年のアジア杯イラン戦です。(準々決勝敗退に直結した失点に絡み)自分の力のなさを痛感しました。普段、悪いプレーをしても、そこまで深く考えないようにしているし、考えないタイプなんですけど、あの時は代表の責任感もあってメンタル的にきましたね…。映像は、まだしっかり見返せていません。とにかく「自分はまだまだ」と思わされました。

ただ、終わったことは仕方ないし取り戻せないからこそ、ここからが大事。DFはうまくいかなかった時に得るものが一番大きい。やられた数ほど経験値が上がる。糧にして、次は代表を助ける側に回らないと。その点、アジア杯の苦い経験が、この最終予選に間違いなくつながっています。

あの時は、いい内容を求めて勝つことが「W杯優勝」という目標につながる、との考えがどこかにありました。でも、勝ちにこだわらないといけない。あのアジア8強止まりで感じることができました。今は、試合に勝つことが一番大事なことだと確信しています。

前回のW杯が終わってから、最初の選手ミーティングでも「目標は優勝でしょう」と確認し、監督に伝えさせてもらいました。常に次のW杯を念頭に置いてやってきたつもりですが、もっともっと、自分がレベルアップしないといけない。競争も激しいですし、この栄えある場所でプレーし続けるためには、自チームで結果を残し続けないといけない。あと1年3カ月、まだまだ成長します。(ボルシアMG、日本代表DF)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本代表】板倉滉、激白「アジア杯の苦い経験が…」“戦犯”糧に全試合先発し、最少失点に貢献