滋賀短大付対敦賀気比 敦賀気比に敗れ土を拾う中井ら滋賀短大付ナイン(撮影・藤尾明華)

<センバツ高校野球:敦賀気比15-0滋賀短大付>◇19日◇1回戦

春夏通じて初甲子園の滋賀短大付が大敗した。自慢のディフェンスが大きく崩れ、失点を重ねた。

先発したエース左腕・桜本拓夢(3年)はマウンド上で違和感を感じていた。「ビデオで見ていた敦賀気比と全然違いました。ベースが小さく見えました。こんな経験は初めてです。死球を当てたくないと思ってしまった」。

立ち上がり、先頭の左打者への死球に始まり、3四死球と安打で2点を先制された。違和感の正体は、敦賀気比の打者陣の立ち位置。全員がぎりぎりまでベースに近づいていた。昨秋までの資料とは印象が違った。

「内角を攻めるのが自分の持ち味。際どいところを狙いたかったが、それができずに、甘く入ったところを打たれてしまったり、四球を出してしまった」。チーム内では敦賀気比打線は内角を使わないと打ち取れない、と確認し合っていた。その策を封じられ、120キロ台の速球では苦しくなるのも当然だった。

5回途中から継投したサイド右腕の中井将吾(3年)も同様に「だいぶベース寄りに立っているな」と感じた。

ただ、自身の調子はよかった。それでも打たれまくった。「強すぎるな…」。マウンドで無意識のうちにつぶやいていた。これも初めてのことだった。失策も多く出たが、大量失点の責任はすべて自分にある、と味方をかばった。

「純粋の相手のレベルが違いすぎました。打球が速かった。ほとんど芯でとらえてくるし、芯を外しても速かった。今日はそんなに調子が悪くなかったのに長打を打たれてしまった。自分の投球スタイルでは、このレベルでは限界があると感じました」と脱帽。もちろん、現実から目をそらすわけにいかない。「残り3カ月。上がられるところまで自分のレベルを上げないといけない」。自分と向き合う覚悟を決めた。【柏原誠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【センバツ】15失点の滋賀短大付、投手2人がマウンドで感じた違和感「ベースが小さく見えた」