カブス対ドジャース 今季1勝目を挙げヒーローインタビューで声援に応えるドジャースの山本(撮影・たえ見朱実)

<とっておきメモ>

<カブス1-4ドジャース>◇18日◇東京ドーム

ドジャース山本由伸投手(26)が、凱旋(がいせん)登板で5回3安打1失点と好投した。カブスとの開幕戦(東京ドーム)に先発し、今永とともにメジャー史上初の日本人開幕投手対決が実現。2回にアマヤの適時二塁打で先制を許したが、3回以降は無失点。打線は今永に4回まで無得点に抑えられたが、5回に大谷の今季初安打を絡めた攻撃で逆転に成功。山本が日本人選手で4人目となる開幕戦での白星を手にした。

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山本を知る人が口をそろえる言葉がある。「野球少年そのもの」。戦う舞台が世界最高峰になっても、根底にあるものは、子供の時からの変わらない思いなのだろう。大リーグ挑戦が決まった時、当たり前のように言った。「僕は普通の子供だった。昔から特にどこが優れていたわけじゃない」。普通の感覚が強みだ。

大事にしていた練習の1つが、投手の基本ともいえる遠投。いつも1球1球丁寧に確かめるように、周囲の投手が届かないほどに、距離を伸ばすのがルーティンだった。「僕は基本の練習しかしていない」。やり投げ練習や新フォーム挑戦など、進化へ新しいものを取り入れる一方、大切にするのは誰もが通る基礎だ。

「得意なことが本当に野球ぐらいしかない」と話していたこともあるほど、真っすぐに向き合ってきた。だから志を同じくする仲間を歓迎。ボールの握りを聞かれれば惜しみなく教え、支配下登録されたばかりの育成選手に用具一式をプレゼントしたこともある。山本を突き動かすのは、子供の時に芽生えた「野球がうまくなりたい」という思い。その貪欲さは、消えることがないだろう。【23年オリックス担当=磯綾乃】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【とっておきメモ】開幕戦で凱旋1勝の山本由伸は「野球少年そのもの」普通の感覚強みに基礎徹底