米子松蔭対花巻東 4回裏花巻東2死三塁、赤間は三塁適時内野安打を放つ(撮影・藤尾明華)

<センバツ高校野球:花巻東10-2米子松蔭>◇18日◇1回戦

偉大なOBたちへ白星を届けた。花巻東(岩手)は米子松蔭(鳥取)を10-2で破り、18年以来7年ぶりの白星を挙げた。同校OBのドジャース大谷翔平やエンゼルス菊池雄星らも背負った背番号「17」の赤間史弥外野手(2年)が4番に座り、先制二塁打を含む2安打2打点で快勝へ導いた。カブス鈴木誠也の母校・二松学舎大付(東京)は、柳ケ浦(大分)との開幕戦を3-2で制し、43年ぶりのセンバツ勝利。両校は2回戦で激突する。

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新生の背番号「17」が魅せた。花巻東の赤間が、華々しい甲子園デビューを飾った。1回1死一、二塁。いきなり好機が訪れた。2月下旬から振り込んできた木製バットで狙いのカーブを捉え、中越えへ先制の適時二塁打。聖地ファーストスイングで仕留め「ホッとした気持ちの方が強かったです」と振り返った。

1年春から4番に座る古城大翔内野手(2年)がけがの影響で欠場し、代わって4番に抜てきされた。佐々木洋監督(49)は「古城とライバル関係で、もう越してもいいくらいの力があるので、期待を込めて背番号『17』を渡しました」。ドジャース大谷、エンゼルス菊池も背負った出世番号。指揮官の思いに応えた。

大先輩の背中を追う。試合は午後3時28分に終了。同日夜には、大谷擁するドジャースとカブスのMLB開幕戦が控えていた。テレビ観戦は十分可能だが、赤間はあえてテレビ中継を見ず、速報で見守る。「センバツ中は自分たちの試合に集中するために、テレビよりも練習をします」。ホテルに戻り、駐車場で素振りに励む。「大谷さんがすごい活躍をされているので、自分も負けないようなプレーをしたいです」と、憧れの先輩を追い、少しの時間も無駄にしない。昨夏は岩手大会でメンバー入りも、甲子園ではベンチ外。「本当に悔しかった」とスタンドから見守った。今は違う。

2回戦ではカブス鈴木の母校、二松学舎大付と激突する。「バッティングに関しては芯で捉えられているので、あとは走塁と守備を見直したいです」と気を引き締めた。狙うのは、12年センバツで大谷が放った本塁打。いつか先輩たちに追いつくために、今はがむしゃらにプレーする。【木村有優】

◆赤間史弥(あかま・ふみや)2008年(平20)7月25日生まれ、岩手県盛岡市出身。小3時に上田バンビーズで野球を始め、中学では盛岡北シニアでプレー。花巻東では1年春の岩手大会で初のベンチ入り。180センチ、98キロ。左投右打。50メートル走6・4秒。遠投90メートル。趣味はドラマ、映画鑑賞。

○…開幕日の試合には苦い思い出があった。大谷を擁して臨んだ12年センバツは初戦で優勝した大阪桐蔭に2-9で敗れた。佐々木監督は「悔しさも残る初戦で、すぐに帰った記憶しかありません」と、忘れられない敗戦だった。それ以来の開幕日の試合だったが、大勝発進で払拭。「細かなミスもありましたが、素晴らしい投手を相手によく頑張って打ってくれたと思います」と振り返った。

◆学校最多得点 花巻東が甲子園で学校初の2桁得点。これまで最多得点は春が5点(4度)、夏は13年2回戦(対彦根東)の9点だった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【センバツ】大谷翔平、菊池雄星の花巻東「17」継ぐ赤間史弥2安打2打点「ホッとした気持ち」