【センバツ】花巻東・森下祐帆、森林火災で祖父母自宅全焼「少しでも元気を」勇気届ける3安打
<センバツ高校野球:花巻東10-2米子松蔭>◇18日◇1回戦
花巻東(岩手)森下祐帆(ゆうほ)内野手(3年)が大規模火災の被害に悩む故郷に勇気を届けた。
「とにかく全力で、元気いっぱいにプレーすることを心がけた」
米子松蔭(鳥取)との初戦に「7番遊撃」で出場。3-0の1回2死二塁から左前打を放つと、3回2死二塁では中前タイムリーをマークした。「最初の方は緊張したんですけど、途中から楽しむことができた」。5回1死の第3打席目は左前打と、この日3安打1打点の大暴れだった。
岩手・大船渡市出身だ。2月26日に発生した大規模な森林火災で父方の祖父母が住む2階建ての家が全焼。さらに、隣接する実家も大きな被害を受けた。当時、連絡で被害を知った時は「まさかと思って。最初は野球の方にも集中して取り組むことはできなかった」と耳を疑い、しばらく放心状態だった。
それでも、両親の言葉で気持ちを切り替えることができた。火災発生から数日後、花巻市内で両親と再会。そこで「けがとか、体に問題はないから。とにかく心配しないで。野球に集中してほしい」と声をかけてもらい、決意を新たにした。一塁側スタンドには家族も応援に駆けつけ、森下は「親が一番望んでいるのは、元気いっぱいプレーすることだと思うので」と言葉通りの勇姿を届けた。
「自分のプレーで、どうこうできることではないんですけど…。少しでも元気を与えられれば」。被災地の思いも背負って、聖地ではつらつとプレーしていく。