大谷翔平「1番DH」開幕第1球から今永昇太と対決 弱点克服、3度目対戦でライバル攻略なるか
ドジャース大谷翔平投手(25)の25年シーズンが今日18日、東京ドームで幕を開ける。日本開催のメジャー開幕戦は6年ぶり6度目で、本塁打を放てば日本人では初。カブス戦は「1番DH」で、プレーボールと同時に今永昇太投手(31)と対決する。これまでの対戦成績は、5打数無安打1三振と分が悪い。3度目の対戦で攻略なるか注目だ。両軍合わせて日本人5選手が出場予定の開幕シリーズが、熱狂の中で始まる。
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メジャー開幕の第1球から、野球リーグ最高峰の駆け引きが始まる。1回表のプレーボールと同時に、大谷がカ軍のNO・1投手として開幕マウンドを託される今永と対する。昨年、4月と9月に2度、合計5打席の対戦で5打数無安打。打者としてキャリアハイの54本塁打、130打点をマークし、首位打者争いも繰り広げたリーグ最強打者が完璧に封じられた。
攻略できるか、それとも返り討ちとなるか。これまでは、たとえコテンパンに抑えられても、屈することなくやり返してきた。過去の名勝負では、ジャスティン・バーランダー(現ジャイアンツ)、ゲリット・コール(ヤンキース)、左腕フランバー・バルデス(アストロズ)らに完敗していたが、攻め方を頭に入れ、いずれも6~7度目の対戦で本塁打を放った。苦手とされていたコースを克服し、弱点を消す。これが打者大谷の強みでもある。
24年4月、今永との初対戦では、データで分が悪かった内角高めを徹底的に突かれた。23年までの成績で、大谷は左腕の速球93マイル(約150キロ)以上となると、打率1割と極端に下がっていた。今永が投じた直球は93~94・4マイル(約152キロ)で、データ通りの結果となった。だが、24年シーズン終了までで、同じ条件では打率3割3分3厘。弱点だったはずが、得意と化していた。ただ、相手はそれも想定内だったのか、9月の対戦ではスライダー中心の配球となり、再び封じられた。
もちろん、数字上の理論だけでは通用しないこともある。それが、想像を超えてくる大谷たるゆえんだ。また、相手も「投げる哲学者」の異名を持ち、独特の感性がある。全力投球とフルスイング、1球1球の攻防に目が離せない。大谷は開幕戦の前日、東京ドームには姿を見せなかったが、日本人同士のライバル対決へ準備を整えた。連覇を目指す25年シーズン。そのスタートラインに立つ。【斎藤庸裕】
○…開幕2戦目となる19日のカブス戦で先発する佐々木は、東京ドームでブルペン投球を行い、来たるべきデビュー戦に備えた。14日の公式会見で「まずは自分のピッチングをすることが大事」と話していた通り、入念にキャッチボールをするなど、この日も集中力を保ったまま調整を行った。
【大谷と今永の対戦VTR】
◆24年4月7日に初対戦。1打席目から直球中心の配球となった。今永は5球目から7球目まで3球連続で内角高めを攻め、大谷も負けじとファウルで粘った。8球目でスプリットを挟まれ、9球目の内角高め直球に空振り。決め球の94・4マイル(約152キロ)は、この日の今永の最速だった。
第2打席も続いて高めの速球で勝負となった。2球目、内角高めの91・2マイル(約147キロ)直球に大谷が打ち損じ、三邪飛となった。
◆2度目の対戦は9月10日。前人未到の「50-50(50本塁打&50盗塁)」に向けて、大谷が打撃絶好調の時期だった。1打席目は外角高めの直球を打ち損じて遊飛。その後の2打席はスライダーとスプリットのみの配球に変化した。2打席目は低めスライダーを引っ張って一ゴロ併殺となったが、3打席目は外角に甘く入ったスライダーを捉えた。右中間フェンス手前で失速し、柵越えとはいかなかったが、攻略の糸口が見えたような大飛球だった。