巨人対カブス 5回表カブス無死、クローアームストロングは右越え二塁打を放つ(撮影・鈴木正人) 

<プレシーズンゲーム:巨人2-4カブス>◇16日◇東京ドーム

カブスは足と守備で王者ドジャースに対抗する。16日、巨人とのプレシーズンゲームに臨み、俊足と好守が武器の「PCA」こと7番ピート・クローアームストロング外野手(22)が、攻守でチームをけん引した。5回に先頭打者で右前打を放つと、一気に二塁を陥れた。次打者の初球で三盗を決めると、9番打者の右前打で先制のホームを踏んだ。これが日本でカ軍の14イニング目の初得点。開幕戦へチームに勢いをもたらした。

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シカゴきっての若き人気者が、東京で大暴れした。クローアームストロングが打席に立つと、カ軍で唯一「P・C・A」とコールが起こる。「PCAの応援は本当にクールだった。試合中ずっとファンのエネルギーがすごかった。日本のファンはアンビリーバブルだね」。先頭打者の5回。右前打で出塁したと思いきや、ノンストップで一塁を通り越した。昨季27盗塁の俊足を生かし、一気に二塁を陥れた。次打者の初球、左腕グリフィンの隙を突いて三盗に成功した。

9番ワークマンの右前打で先制のホームを踏んだ。来日2試合目、14イニング目のチーム初得点となった。ここから勢いづいた打線は、この回4安打を集中して一挙4得点。前夜にドジャースが3本塁打を浴びせた巨人投手陣から、対照的に機動力で点を奪った。

PCAは中堅守備でも魅せた。5回裏、左中間フェンス手前で泉口の安打を止めると、素早く二塁へ大遠投。強肩のノーバウンド送球で二塁への進塁を防いだ。「彼は本当に全てができる選手だと思う。あれはすごい好プレーだった」とカウンセル監督も絶賛した。

とにかく目立つ。ユニホームの背中の名前は「CROW-ARMSTRONG」と長く、半円を描く。マイナー時代は2段になっていたことも。両親ともに俳優で、姓は父マシュー・ジョン・アームストロングさんと母アシュリー・クロウさんのダブルネーム。帽子を取れば、金髪にカブスカラーの青い★が入っている。「ガールフレンドの妹が才能あるタトゥー・アーティストなんだ。意味は無いけど気に入っている」。昨年は青一色だったため、カウンセル監督からも「1つステップアップした」と派手な外見を認められている。

来日後、神田明神で見たマグロの解体ショーでは「切るときの僕のフォームはなかなかキマっていたと思う」とグラウンド外でも絶好調だ。20年にメッツからドラフト1巡目指名された将来のスター候補。主力のスワンソンは「ポテンシャルが高く、リーグを代表する選手になる可能性がある」と認める。ロサンゼルス近郊出身の若熊が、地元のワールドシリーズ王者に食らいつく。【斎藤直樹】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 カブス「PCA」東京で大暴れ 走守でチームに勢い「キマっていた」マグロ解体ショーでも絶好調