【阪神】NPBより先に!20歳門別啓人が5回完全でメジャー初勝利で海外SNSも盛り上がる
<プレシーズンゲーム:阪神3-0カブス>◇15日◇東京ドーム
高卒3年目の阪神門別啓人投手(20)が、15日のプレシーズンゲーム・カブス戦(東京ドーム)に先発。鈴木誠也外野手(30)やジャスティン・ターナー内野手(40)らが並んだ強力打線を相手に、5回パーフェクトの快投を見せた。カブス陣営も驚きを隠せず、メジャー通算198本塁打の4番ターナーは「アメージング!」と絶賛だ。開幕2戦目での先発ローテーション入りが有力視される左腕が、存在感を示した。
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自身でも驚くほど、門別は目の前の勝負に入り込んだ。「緊張は全然なかったです」。カブスを相手に5回パーフェクト投球。徐々に高まる球場からの期待感と対照的に、顔色ひとつ変えずアウトを積み重ねた。
「自分も終わって初めてノーヒットだったことに気づいた。集中できていたのは良かったです。とにかくどうやって抑えようとしか見ていなかった」
初回から、まずは昨季25本塁打の1番ハップを直球で押し込み右飛。2番鈴木との初対戦では、痛烈なセンター返しを食らいながらも中飛に打ち取った。3番タッカーも左飛で仕留めて3者凡退。最高の立ち上がりから始まった夢舞台は5回無四球無失点。「あっという間の時間。素直に楽しめたので良かったです」。今春実戦の連続無失点を20イニングまで伸ばした。
カブス陣営も絶賛の声が相次いだ。痛烈な打球を連発しながらも2打席で無安打だった鈴木は「元々、話は聞いていた。すごく良かった。まとまりがあって良い投手という印象です」と、称賛した。だが、門別自身は、勝てたとは思っていない。「全ていい当たり。他のバッターより本当にすごいと感じたし、もう1個2個、レベルを上げないといけない」。刺激をさらなる成長につなげてみせる。
メジャー通算198本塁打の4番ターナーは、門別にとってテレビなどで見てきた憧れの選手だ。そのターナーは「素晴らしい制球力でチェンジアップとカーブが良かった。僕らをノーヒットにしたんだからね。アメージングだよ」と驚きを隠さなかった。さらに「リッチ・ヒルが似ているかもしれない」。13球団を渡り歩き、メジャー通算90勝のベテラン左腕と門別を重ね合わせ、たたえた。
阪神がメジャー単独球団にプレシーズンゲームで勝ったのは、12年3月26日のアスレチックス戦以来。リリーフ陣も無失点でつなぎ、完封リレーを完成させた。NPB初勝利よりも先に“メジャー初勝利”を手にした20歳左腕は、開幕2戦目での開幕ローテ入りが有力。虎党のみならず、世界を驚かせる快投となった。【波部俊之介】
○…阪神門別の快投に、海を越えてSNSも盛り上がりを見せた。X(旧ツイッター)では「Mombetsu」のワードがあふれた。カブスファンとみられるユーザーからは「門別をシカゴに連れて帰ってもいいか?」「ドジャースが門別と契約するのを阻止するために、あらゆる手を尽くさなければならない」などユーモアたっぷりに賛辞の声が上がっていた。
▽阪神梅野(門別を好リード。3回に両軍初安打のフェンス直撃二塁打)「カウント有利にしっかり攻めていけたのが良かった。(安打は)基本的には思い切っていこうと。継投だったけど、本当に素晴らしい粘り強いピッチングと、いいゲームだったんじゃないかな。勝てて良かったです」
▽カブス・カウンセル監督(門別に)「ストレートを多く投げてきて、打たされてしまった。タイミングを外された。先発がこれなら(チームは)いいところに行くでしょう」
▽カブス・ショウ(門別に)「ストライクが取れてコントロールがいい。非常にいい投球をしたと思う。将来メジャーに来るのを待っているよ」
▽阪神藤川監督(門別に)「今までの彼のキャリアの中では、本当に急に訪れたビッグチャンスといいますか。非常に自信になったんじゃないか」