阪神対カブス 5回裏阪神1死一、二塁、佐藤輝はバットを折られながら右適時打を放つ(撮影・小沢裕)

<プレシーズンゲーム:阪神3-0カブス>◇15日◇東京ドーム

阪神佐藤輝明内野手(26)は童心に返っていた。今季予定される3番ではなく、メジャーのような強打の2番打者で出場。4打数1安打だったが、メジャーへの憧れを持つスラッガーは特別な時間を堪能した。

能力の高さを示したのは2点リードの5回だ。1死一、二塁から右腕ホッジの大きく横滑りする内角スイーパーを力みなく振り、右翼線に落ちる適時打。「考えながら、いいスイングができたなと思います」。塁上では仲間に会心の笑顔を向け、ベンチに戻ると「よっしゃ」と声を上げた。一、三塁となり、次打者の初球にヘッドスライディングで二盗を成功。森下、中野と合わせチーム3盗塁。新しい打順で、足を絡めて得点を生み出した。

楽しそうに見えた、の問いに「そうですか。楽しかったです」と笑顔。カブスの多彩な4投手と対戦できた。「日本ではなかなか見ないような投手とも対戦できて、いい経験でした。やっぱり投げる球がえげつないですね。でも、日本は日本の良さがありますから」と顔をほころばせた。

佐藤輝の「2番」は昨秋キャンプ中の紅白戦で試されたことがあった。藤川監督はこの日のオーダーに「エキシビションですから」と明言こそしないが、公式戦のオプションとして考えている節がある。左打席から強く引っ張れるだけに、5回のように「一、三塁」の形を作って、中軸に回せる利点がある。

右翼での出場だった。この2年は三塁固定だったが、こちらも今年は可能性がある。開始1球目にいきなり飛球が来た。「久々だったんでね。あれでちょっと落ち着きましたかね」。

試合前にはカブスの練習を凝視。鈴木と帽子を交換した。試合後はカブスナインから次々と声をかけられ、鈴木と長く話し込んだ。16日のドジャース戦はスネル、グラスノーの豪華リレーとマッチアップ予定。ワクワクはまだ終わらない。【柏原誠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】「楽しかった」佐藤輝明ワクワク技あり適時打、16日はスネル、グラスノーと対戦へ