ソフトバンク対巨人 6回裏ソフトバンク無死、リチャードは左越えに本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)

<オープン戦:ソフトバンク3-4巨人>◇12日◇みずほペイペイドーム

待望の1発だ! ソフトバンクのリチャード内野手(25)が会心の1号ソロを放った。

巨人とのオープン戦(みずほペイペイドーム)に「7番三塁」で出場。2-4の6回無死、ケラーのど真ん中カーブを左中間テラス席へ運んだ。本拠地アーチは2年ぶりで、師匠の山川穂高内野手(33)の助言を生かした。正三塁手の栗原陵矢内野手(28)は右脇腹を痛め、別メニュー調整となった。悩める大砲候補が、まだまだアピールしていくつもりだ。

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バットを振り抜き、手応えは十分だった。鷹党の歓声とともに、打球は一直線に伸びていく。リチャードは打球を目で追い、一塁へと駆け出した。「いい反応で自分のスイングができた。1本が出て良かったです」。オープン戦1号は左中間テラス席で弾んだ。本拠地アーチは2年ぶりだった。待望の1発に、ベンチではホットした表情を浮かべた。

2点を追う6回先頭の第3打席だった。カウントは1-1。3球目、ケラーが投じた真ん中の緩いカーブにグッとこらえ、思い切りすくい上げた。直前の1球は顔面付近の直球ボール球で、思わず大きく尻もちをついた。「最初は選手生命の危機を感じたんですけど。腰が抜けたスイングだけはしないように心がけた」と言葉通りの一振りを披露。4回には左前打を放ち、3打数2安打1打点と結果を残した。

師匠からのアドバイスもあった。試合前。山川から「ホームランを打ちたいと思っても、打てないぞ」の助言をもらった。前日11日の試合は4打数凡退で、3三振。ここまでのオープン戦ノーアーチで、打席内で「(本塁打を)打ちたい、打ちたい」の欲が強くなり過ぎていた。「無では僕はだめ。シンプルが一番いいと思う」。シンプル思考に立ち返り、本来の姿であるスラッガーぶりを示した。

正三塁手の栗原は右脇腹を痛め、当面は別メニュー調整。開幕に間に合う予定だが、アピール機会が増えてくる可能性もある。「自分に『ここで頑張らなきゃ』って言い聞かせながら。穴を埋められるような選手にならないといけない」と力を込めた。守備でもホットコーナーで軽快な動きを見せた。“俺がいる”と言わんばかりに、まだまだ攻守で存在感をアピールする。【佐藤究】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】リチャードが会心の1号ソロ「自分のスイングができた」師匠・山川の助言生かす