【阪神】中野拓夢が好調!逆方向マルチで打率3割4厘「カブスとドジャースの試合で最高の…」
<オープン戦:阪神3-2西武>◇12日◇ベルーナドーム
待ってろ世界一軍団! 阪神中野拓夢内野手(28)が西武今井撃ちを含むマルチ安打で存在感を示した。「9番DH」で先発出場。3打数2安打でオープン戦の打率は3割4厘と上昇させた。25年型新フォームの手応えも十分だ。今後は15日カブス、16日ドジャース戦(ともに東京ドーム)とのプレシーズンマッチに挑む。23年WBCも経験した虎の選手会長がレギュラーシーズン開幕前に世界を驚かす。
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狙い通りの侍ジャパン右腕撃ちだ。3回2死で迎えた中野の第1打席。9番中野がここまでチームが無安打に抑えられていた西武の先発今井と対峙(たいじ)した。カウント2-2から、153キロ直球、140キロ変化球、153キロをファウルにして粘った末の8球目。外角低めに落ちていったチェンジアップを泳ぎながらもうまく左前に運んだ。第2打席には5回2死一塁から2番手甲斐野の外角高め155キロを左前に運んで逆転につなげた。
「最近、どっちかというと引っ張りにかかる打席が多かった。今日は逆方向の意識で行った中で安打が出たのでよかった」
意図した通りだった。「逆方向を意識しながら打席に入れたのでよかった」。左翼方向への安打は、中野の調子を示すバロメーターの1つとなっている。昨季までプロ4年連続で規定打席に到達。唯一打率が2割7分未満の2割3分2厘となった昨季は逆方向の安打の割合が29・1%と、初めて30%を切った。好調を維持しているオープン戦でも、7安打中5本が逆方向だ。
昨年は選手会長1年目で球団初の連覇を狙ったが、自身は打撃が不調で、チームも2位。悔しさを糧に、打撃フォームの改造に取り組んでいる。構える際にバットのグリップの位置を頭の高さから肩の位置まで下げた。フォーム改良の効果が出ているのか、昨年はオープン戦打率が1割3分と苦しみ、シーズンまで響いたが、今年は打率3割4厘と結果を残している。
ワクワクする対戦が待っている。15、16日にはカブス、ドジャースとのプレシーズンマッチを迎える。ドジャースはサイ・ヤング賞を2度獲得の左腕スネルの先発が有力。「(開幕まで)試合が限られているし、試す段階ではない。次のカブスとドジャースの試合で今持っている最高のパフォーマンスが出せればいい」。V奪回を目指すセ界の戦いまで残りは同2試合とオープン戦5試合。好調の選手会長が世界に挑む。【塚本光】