大谷翔平、自打球が股間付近直撃に苦痛の表情「危険な場所ってどこだい?」ロバーツ監督笑い誘う
【グレンデール(米アリゾナ州)10日(日本時間11日)=四竈衛】大谷、大当たり? ドジャース大谷翔平投手(30)がダイヤモンドバックス戦に「1番DH」でスタメン出場し、初回に時速118・5マイル(約191キロ)の高速二塁打を放った。第3打席にはワンバウンドした自打球が股間付近を直撃。苦痛の表情を浮かべたが、大事にはいたらなかった。11日(同12日)のオープン戦最終戦で今キャンプを打ち上げ、開幕戦の舞台、日本へ向かう。
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その瞬間、うめき声を漏らした大谷は、端正な顔をしかめ、こらえ切れずに打席を外した。4回の第3打席。元ヤクルトのダ軍マクガフが投じた2球目。大谷のバットが捉えきれず、ワンバウンドしたファウルが、不運なことに股間付近を直撃した。腰をかがめ、必死に苦痛が和らぐのを待つ大谷に対し、ド軍のトレーナー陣はベンチから出る気配すらない。大事にはいたらず、何とか打席に戻ったものの、結果的に空振りの3球三振を喫した。
ダッグアウトへ戻った大谷に、心配そうな先発山本が「大丈夫っスか?」と声をかけた。とはいえ、他の同僚は同情するような表情を浮かべつつも、ニヤニヤと笑いを浮かべるばかり。その後、5回のマウンドへ向かう山本に、大谷が「帰るわ」と言い残し、小走りで去るなど、和やかな光景となった。
試合後、大谷の「珍アクシデント」について聞かれたロバーツ監督は「危険な場所ってどこだい?」と、いたずらっ子のように笑った。同監督と大谷といえば、昨年来、今キャンプ中も何度となくイタズラの応酬を繰り返してきた。今回はプレー中の不足の事態だったが、同監督が「ショウヘイは大丈夫だ」と高らかに異常なしを宣言し、さらに周囲の笑いを誘った。
第1打席でも会心の「当たり」を飛ばした。内角のカットボールをフルスイングした打球は、時速約191キロの超高速ライナーでアッという間に右翼線のフェンスに到達した。快足を飛ばした大谷が、滑り込む必要のないスタンディングダブル。昨年11月の右肩手術の影響をまったく感じさせない、大谷本来のパワフルな軌道だった。同監督は「彼はいい選手だからね」と笑わせた後、笑顔で続けた。「彼は、統計的にほかの誰かができないことをやるから」と、データでも完調間近が実証されたことに上機嫌だった。
現時点で「投手大谷」の復活が当初の見込みよりも遅れ気味とはいえ、ロバーツ監督は心配していない。「彼はできるだけ早く投球をしたいと願っているが、我々の考えは少しスローダウンすることで、それは彼も理解している」。まずは、打者として万全の状態で日本開幕シリーズを迎えることが最優先。笑いに包まれた「大当たり」の1日が、ここまでの順調さを表していた。
◆ロバーツ監督(山本について)「ヨシは良かったね。最初は球数を要したが、リセットしてすばらしかった。いいキャンプを送ったし、東京での先発が楽しみだね」