松浦高校でトークイベントに出演した三浦氏、勝浦氏、岩田氏(左から)

元阪神投手の日刊スポーツ評論家・岩田稔氏(41)が10日、長崎県立松浦高校で「10代の私(あなた)へ~それでもなお、人生は選べる」と題したトークイベントに参加し、1型糖尿病を患いながらプロで活躍するまでの歩みを語った。

若者向けに講演活動やキャリア支援などを行う一般社団法人ハッシャダイソーシャルと日刊スポーツ新聞西日本が、中高生の生き方を考えるきっかけ作りのために共同で企画。岩田氏の対談相手をハッシャダイソーシャルの代表理事・勝山恵一氏と三浦宗一郎氏が務めた。

高校時代に1型糖尿病と診断された岩田氏は当時の心境について「もう人生終わった、とまで考えた」と振り返った。さらに、病気を理由に社会人チームの入団内定を取り消される不運にも見舞われたが、そこからプロ入りを果たし、阪神のエース格として実績を残した。

三浦氏から「最近は親ガチャという言葉もあったりして、選べないことの方が人生では多いかもしれない。思わぬ病気に見舞われたあと、何がそこまで自分を動かしたんですか?」と問われた岩田氏は「一番は内定取り消し。絶対に見返してやろうと思ってやっていた」と当時の反骨心を明かした。

この日は松浦高と志佐中の約280人が集まり、真剣な表情で3人の対談に聞き入った。質疑応答のコーナーでは生徒から「人生の分岐点で1歩踏み出す勇気を持つにはどうすればいいか」という質問も出た。岩田氏は「踏み出せなかったことも1つの経験。そこからまたやっていけばいい」と声を掛け、勝山氏も「命を取られなければ、失敗なんてない。全てが次につながる経験になる」と考えを語った。

最後に岩田氏は生徒から「目標に向かって取り組むことの大切さを学んだ」と感謝の言葉を受け、大きな拍手を浴びていた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 「絶対見返す」元阪神岩田稔氏から中高生へ…1型糖尿病患いながらプロで活躍するまでの歩み語る