6日、ライブBPに臨む日本ハム古林

ついに期待の新戦力がベールを脱ぐ。「火球男」の異名を持つ日本ハム古林睿煬(グーリン・ルェヤン)投手(24=台湾・統一)が11日ロッテ戦(ZOZOマリン)で実戦デビューすることが10日、分かった。1月末に右脇腹を痛めたことで慎重に調整を進めてきたが、ようやく実戦準備を完了。中継ぎで1イニングを投げる予定の最速157キロ右腕が、満を持して日本のマウンドへ上がる。

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昨季の台湾プロ野球MVP右腕が、やっと実戦マウンドまでたどり着いた。日本一奪回への目玉補強として新加入した古林睿煬が、11日ロッテ戦でデビュー登板に臨む。右脇腹痛からの復帰登板でもあり、まずは中継ぎで1イニングを投げる見込みだ。この日は待望の瞬間に備えて、チームとともに新千歳空港から空路で移動。スーツ姿でネクタイを締め、引き締まった表情で千葉入りした。

焦らずにコンディションを整えてきた。スロースタートの要因は、1月下旬に来日した直後の故障だった。2月の沖縄・名護キャンプは、じっくりとチームが立てたリハビリスケジュールに沿って過ごした。

初ブルペンはキャンプ第4クール2日目の同16日。捕手を立たせたまま8割ほどの力加減だったが、視察した新庄監督は「びっくりしました」。ポテンシャルの高さを発揮していた。

キャンプ後半や3月頭の台湾シリーズ中もブルペン投球を重ね、今月6日にはエスコンフィールドでライブBPを実施。初めての実戦形式では力強い直球に変化球も交え、精度の高いクイックモーションも披露した。どっしりとした下半身をベースに184センチの上背から投げ下ろす姿は「打者は近く感じるんじゃないかな」と、バックネット付近から見守った新庄監督にも威圧感を与えていた。

チームメートの評価も上々だ。「火球男」の異名に違わないホップ成分が高い直球は、キャンプ中にブルペン投球を受けた伏見に「エグい」と言わせ、ライブBPで対戦した田宮に「目が覚める球」とも言わせた。それほど期待大の新助っ人は、2月のキャンプ打ち上げ日に「体的には、ほとんど問題ない。(日本ハムには)すごいピッチャーがいっぱいいる。自分も置いていかれないように、しっかり争いあって、いいチームになれたら」とアピール機会を心待ちにしていた。

ついに、その時は来た。決して焦らせず、万全を期してきたチーム方針に従って黙々と準備を重ねてきた最速157キロ右腕が、ファーストインパクトを残す。

◆ここまでの古林睿煬 昨オフに海外移籍を希望してポスティング申請し、優先交渉権を得た日本ハムと契約合意。昨年11月末にはエスコンフィールドを訪問後、台湾へ戻って入団会見を行った。1月下旬に再来日したが、トレーニング中に右脇腹に違和感を覚え、2月の春季キャンプは別メニューでスタート。2月16日に初ブルペンに入って以降は順調に投球練習を重ねたが、凱旋(がいせん)登板を予定していた台湾シリーズには間に合わなかった。その後、3月6日に本拠地で田宮(3打席)と清水優(2打席)を相手に初めての実戦形式となるライブBPに登板し、1安打2奪三振だった。

◆古林睿煬(グーリン・ルェヤン)2000年(平12)6月12日、台湾・台中市生まれ。平鎮高中から18年ドラフト1位で台湾・統一に入団。23年は台湾代表としてアジアプロ野球チャンピオンシップに出場。昨季は最優秀防御率と年間MVPを獲得。台湾プロ野球の通算成績は70試合、32勝15敗、防御率2・48。24年オフにポスティングシステムを利用して日本ハムへ入団。184センチ、81キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸6000万円。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】いよいよ「火球男」古林睿煬11日実戦デビュー「目が覚める球」ライブBPで対戦田宮