巨人坂本勇人(2025年3月1日撮影)

唯一無二の先輩に追いつけ、追い越せでここまでたどり着いた。オリオールズ菅野智之投手(35)が、9日に放送されたBSテレ東の「菅野智之の挑戦には物語がある」に出演した。5つの分岐点に分けられ、オールドルーキーのメジャー初挑戦にまつわる話が紹介された。

第2の分岐点は「野球人生を変えた唯一無二の男」。菅野は「この人、このスーパースターに何とか追いつきたいなって思ってやっていましたね」と巨人で1学年上の先輩・坂本勇人内野手(36)の名前を口にした。「やっぱり勇人さんの存在は大きかったですね」と続けた。

ともにドラフト1位。入団当初から大きな期待をかけられ、実力、人気、知名度もあり、どこか意識する間柄だったようだ。菅野は言う。「勇人さんは『お前のことなんか認めねぇ』ってずっと言っていたから」と振り返った。ただ、菅野は1年目から13勝をマークするなど、順調なスタートを切った。「そしたら勇人さんが『3年やったら認めてやるよ』って言われて」。その先輩の出した条件もクリア。「そしたら次は『俺の年俸抜いてからじゃ』となって。勇人さんの年俸抜いたよって言ったら、『もうええよ、その話』」とやりとりを明かした。

坂本は「これくらい僕と年が近くて、本気で何回もけんかしたことがりますし、本当に言い合いも何回もしたことあるんで」と、ぶつかり合った過去を口にした。続けて「そういう選手って僕多分、もう1人もいないかなってくらい、彼だけでもありますし。彼もそうやって言ってくる人が僕しかいないんで。最近はもうそんなことないですけど、若い時なんかはめちゃくちゃ文句言いまくってました。そこは唯一無二の存在ですね。智之は」。後輩だが、認めているからこその言葉だった。

菅野にとって、常に意識する存在だった坂本。だからこそ、今回のメジャー再挑戦を告げるのは難しかったという。「言う時は特別な感情があった。勇人さんには一番言いづらかった」と言い、「20年にメジャー挑戦の旨を伝えると『まじか』、『お前、俺を1人にするんか』って冗談だと思うんですけど、顔が真剣で」と苦笑いを浮かべた。ただ、それもかわいい後輩だからこそのジョーク。正式にメジャー挑戦の報告を済ませると、坂本が幹事役となり、食事会を開いてくれたという。菅野は改めて「大きかった」と先輩に感謝し坂本は「本当に良かったの一言ですね」と新たな挑戦を楽しみにしている様子だった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【巨人】坂本勇人が「何回もけんか」「言い合いも何回も」「唯一無二の存在」と認める後輩とは