【阪神】森下翔太3戦ぶり復帰“田中将大撃ち”有言実行 6年ぶり復活ジェット風船とともに快気祝い
<オープン戦:阪神2-8巨人>◇9日◇甲子園
森下もジェット風船も復活だ! 体調不良で欠場していた阪神森下翔太外野手(24)が3試合ぶりに4番で復帰し、第1打席でHランプをともして万全をアピールした。今年初の伝統の一戦となった巨人戦(甲子園)は異例の前売り完売で、オープン戦史上球団最多の4万1839人を動員。コロナ禍で休止していたジェット風船が実証実験で6年ぶりに復活した記念日に、有言実行の“田中将大撃ち”で花を添え、ファンや藤川監督を安心させた。
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6年ぶりに甲子園の空が黄色く染まった。「ラッキーセブン」の7回裏攻撃開始前。風船が「パン! パン!」と割れる懐かしい音も響く中、あのファンファーレが流れた。ブランクの影響か、フライング発射も見られたが、05年の実数発表後、オープン戦で球団最多4万1839人を動員した甲子園に黄色い風船が乱舞。そんな記念の試合に「4番右翼」で3試合ぶりに復帰した森下がHランプをともして花を添えた。
「真っすぐのタイミングでいった」。体調不良を克服し、2回先頭で迎えた3試合ぶりの復帰打席。巨人先発田中将が投じた初球、142キロ直球を強振して左前にはじき返した。先発の自身の快気祝いとも言える一打。先発西勇が崩れて0-3とされ、暗くなりかけていた甲子園に大歓声が響き、ムードも一気に明るくする“快気祝い”だった。
有言実行の一打だった。6日の練習後、週末に対戦する田中将ら一線級の投手について「シーズンで絶対に対戦するピッチャー。納得した形が出るように努力したい」と意気込んでいた。日米197勝右腕とはプロ初対戦。「1球だったので、シーズンを戦って感じられたら」と引き締めたが、嫌なイメージを植え付けたことは間違いない。藤川球児監督(44)も「1本出たしね、すぐにね。いい反応をしたし、順調かなと思いますね」と目を細めた。
森下もプロ初のジェット風船を楽しみにしていた。阪神入団後の2年間は停止中。6日の練習後に「タイガースを象徴するもの。復活してくれると球場全体にも一体感が生まれる」と目を輝かせて盛り上げに一役買うことを誓っており、こちらも有言実行となった。
現役時代、ジェット風船に力をもらった藤川監督も感慨深げだった。「非常にうれしい瞬間でしたね。ファンの方も楽しそうな声も、雰囲気が伝わってきた」。直後の7回裏は「すごかったですね」と大感激した大山の内野安打を口火に、1点をかえした。指揮官は「そのイニングもね、やっぱり元気出ましたしね。攻撃面もね。そういう部分では力になっていましたね」とジェット風船パワーを感じずにはいられなかった。
今回は実証実験のため、シーズンでのジェット風船復活は最短26年シーズン。その瞬間を楽しみに、4番森下を中心とした藤川阪神が1年を戦う。【塚本光】