岡田武史氏(2023年12月16日撮影)

<明治安田J2:愛媛2-3今治>◇8日◇第4節◇ニンスタ

元サッカー日本代表監督の岡田武史氏(68=日本協会副会長)がオーナーのFC今治が、J2初の2連勝を劇的に飾った。愛媛FCとの同県勢対決「伊予決戦」で、後半だけで3得点。うち1-2の37分から42分までの5分間で2得点する大逆転劇で、相手ホームでライバルを痛快に倒した。

前半35分に先制されて折り返すと、後半3分に同点弾。昨季J3得点王のFWマルクス・ヴィニシウスが頭で追いついた。同24分に勝ち越され、時間が経過していく中、怒濤(どとう)の反撃に出る。後半37分にMF近藤高虎が左足ボレーを執念で決め切ると、その5分後だ。再びマルクス・ヴィニシウスが頭で、決勝弾をたたき込んだ。

マルクス・ヴィニシウス「まずは本当にうれしい。2年ぶりの伊予決戦、勝ててうれしい。相手ホームで逆転、ビッグゲームだ。チームをたたえないといけない。常にゴールを目指しているので2点目も決められて、うれしい。ストロングポイントを出せた。ファーで、しっかりたたけて良かった」

伊予決戦は今治の1勝1分け2敗だったが、五分に戻すとともに、借りも返した。23年11月11日はJ3で対戦。今治は愛媛に敗れ、今回と同じニンスタで、目の前で相手のJ3優勝とJ2復帰を同時に決められていた。

昨季は、全県をホームタウンとする愛媛が再びJ2へ戻り、今治はJ3だったため2季ぶりのダービー。マルクス・ヴィニシウスは「最後の対戦はJ3優勝とJ2昇格を目の前で許す、悔しい結果となっていたので、いい結果を今度は出せて良かった」と喜んだ。

今季3点目については「常にゴールを狙っている。去年は19得点だったので(カテゴリーが上がっても)今年も19点を狙いたい。チャンスが来たら、決め切りたい」。初の2連勝には「この2試合を、サポーターと一緒に祝いたい」と明るい言葉を並べた。

今治は昨季J3で2位に入り、初昇格。今年の初J2開幕戦は黒星を喫し、第2節は初の勝ち点1、第3節は初のアウェーで昨季J1のサガン鳥栖に4-1で大勝。初の勝ち点3をつかんでいた。

オーナーの岡田氏は、監督として日本唯一2度のFIFAワールドカップ(W杯)指揮を誇る。今治のクラブ経営には2014年から参画。10年の節目だった昨季、通過点ながら初のJ2昇格に導いた。「岡田メソッド」を軸に国内5部相当の四国リーグからJFLと駆け上がり、今季は1年でのJ1昇格を目指しており、通算2勝1分け1敗で暫定4位に浮上した。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【今治】5分間2発で逆転初2連勝「相手ホームでビッグ」岡田武史会長クラブが「伊予決戦」制す