【新潟】J2降格17年以来の開幕5戦未勝利、舞行龍ジェームズ「全員が責任感を持ち1つに」
<明治安田J1:新潟2-2東京V>◇8日◇第5節◇デンカS
アルビレックス新潟は東京ヴェルディと2-2で引き分け、ホーム2連戦は連続ドローに終わった。0-1の前半42分、MF長谷川元希(26)の「公約通り」の2試合連続ゴールで試合を振り出しに戻すと、後半13分、DF舞行龍ジェームズ(36)が長谷川の右CKのこぼれ球を執念で押し込み、勝ち越しに成功。ところが2-1の同30分にセットプレーの流れから再び同点に追いつかれた。これで開幕5戦未勝利。リーグ戦の勝利は、昨季の9月14日ホーム湘南ベルマーレ戦(3-1)から14試合も遠ざかった。
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勝ち点3が、遠い。新潟は2-1の後半30分、左FKの流れからマークが甘くなったところを相手にヘディングシュートで突かれ、2試合連続でドローに持ち込まれた。今季初得点が白星に結びつかなかった舞行龍は試合後、ユニホームで顔を隠し、悔しがった。
「1人1人が勝利のために何をしなければならないか、頭に入れないといけない。細かいことを突き詰め、互いに助け合わないと勝てない」
今季就任した樹森大介監督(47)は宮崎・高知キャンプで、前線からの守備とDFラインを高く保つことで試合を支配する「ハイプレス・ハイライン」の準備を進めた。横浜F・マリノスとの開幕戦(2月15日、1-1)ではその戦術が機能。しかし、第2節の清水エスパルス戦以降は徐々にプレスの効き目が低下して自陣に押し込まれる場面が増え、セットプレーなどから失点を重ねている。
開幕5試合で9失点と守備は崩壊し、うち3試合でリードを追いつかれる展開が続く。指揮官は「守備も攻撃も自分たちから奪いに行かないといけないのに、物足りない」。舞行龍は「勝ちたい気持ちを優先して大胆な仕掛けが少なくなっている。メンタルの部分もある」と、リードを奪ってからの試合運びにも課題点を挙げた。
J2に降格した17年以来の開幕5戦未勝利。順位は19位に沈む。早くも訪れた正念場。DFリーダーの舞行龍は「取り組んでいることは間違っていない。全員が責任感を持ち、1つにまとまって行くしかない」。前を向き、巻き返しを誓った。【小林忠】
○…長谷川は孤軍奮闘した。0-1の前半42分、ペナルティーエリア右角から飛び出した相手GKの頭上を越える弾丸ショットをゴールネットに突き刺した。「トラップするか迷ったけど、GKの位置が見えたので思い切り振った」。2-2に終わっていた前節2日のセレッソ大阪戦で今季初ゴールを奪っていた絶好調男。7日には「次(今節)は自分の得点で勝利に導きたい」と宣言。公約通りの2試合連続ゴールを決めて、1-1の後半13分には右CKから舞行龍の一時勝ち越し点を演出するなど、気を吐いた。
チームはここまで未勝利と苦しむが、オフェンスは2試合連続で2得点と波に乗りつつある。攻撃の中心を担う背番号41は「リードを奪って満足するのではなく3点、4点と追加点を奪っていけるようにしたい」と、さらに上を見た。