日本ハム対中日 2回裏を終え、右前適時打を放った吉田(左)を迎える新庄監督(撮影・河田真司)

<オープン戦:日本ハム6-6中日>◇8日◇エスコンフィールド

日本ハムの「現ドラ組」が中日戦(エスコンフィールド)で存在感を発揮した。昨オフの現役ドラフト“3期生”として移籍した吉田賢吾捕手(24=ソフトバンク)が「7番三塁」で出場し、4打数4安打1打点と開幕1軍入りを猛アピール。“1期生”の松岡洸希投手(24)はこの日、支配下選手復帰を果たし、初の開幕1軍入りが近づいた。

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チャンスは、どこに転がっているか分からない。吉田は試合前のフリー打撃でスタメンを勝ち取った。林ヘッドコーチに「(予定が)変わってスタメンになったから」と告げられた。「来たなって思った」。

新庄監督は監督室でフリー打撃を見ていた。「『いいスイングしてるな、これ誰だろう』って確認したら吉田君。清宮君がスタメンだったんですけど、急きょ変更した」。ほぼ打ち損じなくスイングを重ねる姿が指揮官の心をつかんだ。

そしてチャンスをものにした。2回1死一、三塁。初球は直球を見送った。タイミングも遅れ気味。頭を整理した。「相手は併殺が欲しい場面。直球に差された後に打つポイントを前にするところで、チェンジアップでズラされて併殺が一番良くない」。差し込まれてもいいと右方向を意識。割り切ってチェンジアップを右前へ。的確な状況整理と巧打で“移籍後初安打初打点”をマークした。

1軍スタートだったキャンプでは我を見失っていた。「打撃練習で打球速度を測ることもあって、そっちにフォーカスしすぎた」。数字を気にして打撃の感覚が狂い、途中で2軍キャンプ行き。「センターから反対方向に丁寧に打撃練習していくところから始めて少しずつ良くなってきた」。

新入団選手お披露目セレモニーもあり、この中日戦で1軍へ再合流。守備では失策も犯したが、4安打という結果が出た。新庄監督も「大大大大アピール」と笑顔。吉田は「世間の『水谷に続け』という声も耳に入っているけど、自分は自分。負けてられない」。強烈な自己紹介で、ブレークへの足掛かりをつかんだ。【木下大輔】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】現役ドラフト“3期生”吉田賢吾が強烈4安打で“2期生”水谷に「負けてられない」