【浦和】GK西川周作が200完封でチーム今季初勝利 初ピッチから20年「まだ通過点」
<明治安田J1:浦和1-0岡山>◇第5節◇8日◇埼玉
38歳の浦和GK西川周作が金字塔だ。J1通算200試合完封を達成し、岡山を1-0で下した。チームの今季初勝利に貢献した。西川が05年7月にJ1で初ピッチに立ってから20年。22年7月に曽ケ端準が持つ169試合完封を更新し、新記録となる170試合完封。それからも1人旅で記録を積み上げ、前人未到の大台に到達した。守護神は「まだ通過点」とさらなる記録更新へ意欲を見せた。
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西川がプロ21年目で200試合完封を達成した。チームが開幕から未勝利と苦しむ中、待望の今季初勝利が記念すべき大台到達と重なった。「ホームで勝てていい薬になった。勝って節目を迎えるのと、0-0で節目を迎えるのかは気分が違う」と西川。チームの勝利を喜んだ。
順風満帆に見えるが、決して平たんな道のりではなかった。21年には、当時19歳のGK鈴木彩艶(現パルマ)の台頭があった。6試合先発から外れてベンチから試合を見た。「自分も若い時、ベテラン選手がいる中でレギュラーを取って、そこからプロ生活に入っていった。これは時代の流れだな、と思ったけど、まだまだ負けたくないという気持ちが強かった」。
時代の流れでは終わらせない。そこが強さだ。「この時間を無駄にしてはダメ」と前を向き、しっかりポジションを若手から奪い返した。22年、ジョアン・ミレGKコーチとの出会いも大きかった。キャッチングの基礎から見直し「動き方」「起き上がり方」「ミスした後の解決方法となるポジションの取り方」などを学んだ。まだ成長できた。
同GKコーチから「今までやってきたことをリセットしてくれ」とまで言われたが、素直に耳を傾けられたのも「もっとうまくなりたい。理由と答えを理解した上でピッチで表現できれば、うまくなるための近道」と考えたからだ。西川は常に「ジョアンは(選手としての)下り坂を上り坂にしてくれた」と感謝する。
恩師は退任したが、西川の発する言葉には常々、同コーチの教えがにじみ出ている。200試合目の完封も「いろいろな選手に感謝の気持ちがある。まだ通過点」。まだまだ上り坂のベテランは、最後方からチームを引っ張り、浦和を支える覚悟だ。