【センバツ】早実100年ぶり高松商と対戦「当たっちゃった」対戦成績0勝2敗、三度目の正直なるか
<センバツ高校野球:組み合わせ抽選会>◇7日
第97回センバツ高校野球大会(3月18日~30日、甲子園)の抽選会が行われ、早実(東京)の初戦は大会5日目の第1試合、高松商(香川)に決まった。両校は、1924年(大正13年)第1回大会の決勝で対戦。2-0で高松商が優勝している。
◇ ◇ ◇
「二度あることは三度あるか、三度目の正直か-」。高松商(香川)との伝統校対決が早くも決まり、老練な指揮官が思わずつぶやいた。早実の和泉実監督(63)は「もしかしたら当たるかなぁなんて思って来たら、当たっちゃった(笑い)。高松商も先輩方がたくさんいるでしょうから、先輩たちを含めて喜んでもらえるカードになったんじゃないかな」と、ニヤリと笑った。
今大会出場32校のうち最多29度を誇る高松商と公式戦で初めて対戦したのは、101年前の第1回センバツだった。8校によるトーナメント戦を勝ち上がり、名古屋市の山本球場で行われた決勝戦は高松商が2-0で勝利し、初代王者に輝いた。続く対戦は25年夏の甲子園。再び決勝で相まみえたが、今度も3-5の僅差で高松商が勝利。これまでの対戦成績は高松商の2勝0敗だ。
甲子園で対戦するのは実に100年ぶり。和泉監督は「因縁というわけではないけれど、こういう歴史のある学校と対戦する気がしていました。選手たちはこの歴史を知らないだろうから、伝えた方がいいのか、それとも黙ってプレーさせるべきか。帰ってから考えます」と、口元を引き締めた。
昨秋の香川大会で全試合2桁安打を記録し、公式戦のチーム打率は3割6分7厘。4番の唐渡大我内野手(4年)やリードオフマンの山田圭介内野手(3年)の活躍が際立ち、香川、四国大会の計8試合で平均得点は7・6点に上った。高い攻撃力をいかに封じるかが勝負の行方を左右する。早実のエースで主将の中村心大(こうだい)投手(3年)は「伝統ある両校の先輩方が積み上げてきたものを感じながら、甲子園でプレーできるのが楽しみ」。三度目の正直へ。エース左腕が勝負の鍵を握る。【平山連】
◆早実-高松商 1924年(大13)春と翌25年夏、ともに決勝で対戦し高松商が連勝している。24年春は名古屋市の山本球場で行われたセンバツ第1回大会。高松商は4回に3番村川克己の2試合連続本塁打で先制し、松本善高が7安打完封勝ち。25年夏は宮武三郎(元阪急)がエースで4番を打ち、2回に打者9人で5点を挙げ逃げ切った。
◆1924、25年のできごと 23年9月に関東大震災が起きた直後の時代。24年は8月に甲子園球場が開場。フランス・シャモニーで第1回冬季五輪が行われ、パリでの夏季五輪ではレスリングの内藤克俊が日本唯一のメダルとなる銅メダル獲得。25年には普通選挙法が制定され、東京6大学野球リーグが始まった。
◆甲子園の対戦ブランク 早実と高松商は過去2度対戦。春だけでは1924年決勝以来101年ぶり。春夏通算でも1925年夏の決勝以来100年ぶりになり、いずれも史上最長ブランク。これまでの最長ブランクは春が04年東邦-広陵の69年ぶり、夏が17年中京大中京-広陵の86年ぶり、春夏通算が23年慶応-広陵の94年ぶりだった。