27番の番号札を読み上げる聖光学院・竹内主将(撮影・白石智彦)

<センバツ高校野球:組み合わせ抽選会>◇7日

第97回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が7日、大阪市内で行われた。3年ぶり7度目出場の)の初戦は、大会第5日第2試合で2年ぶり6度目出場の常葉大菊川(静岡)に決まった。昨秋東北王者の同校はチーム力を武器に「聖光野球」を貫くつもりだ。

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ひと冬を越えた聖光学院・竹内啓汰主将(3年)の闘志はさらに燃えていた。対戦相手がセンバツ優勝経験のある常葉大菊川に決まっても、表情は一切変わらなかった。「力のあるチームがそろう全国の舞台で、聖光学院の野球をできなければ勝てる未来はないと思うので、どの高校さんが来ても自分たちの野球をするだけです」ときっぱり口にした。

全国での屈辱は全国で返すつもりだ。全国制覇を目指し、東北王者として挑んだ昨秋の神宮大会は、初戦で東洋大姫路(兵庫)に0-10の5回コールド負け。「何もできなかった…」と全国の壁を痛感した。「東北の代表として出場しているのに本当に情けなくて、神宮は屈辱的な敗戦でした」。この一戦の悔しさを胸に刻み、冬を過ごした。

強化されたチーム力が最大の武器だ。1年生から学年主将を務めている竹内だが、責任感が強いゆえの壁に直面した。昨年1月に周りとの間に温度差が生じ、チームに閉塞(へいそく)感が生まれたこともあり主将を交代した。それから、約4カ月後に復帰。主将を離れたことで心に余裕ができ、冷静さも備わった。「周りに協力を求められるようになったことで、伝えたいことが伝わるようになりましたし、それがどんどん派生して、チームがまとまるようになりました」。壁を乗り越え、培ったチーム力は抜群だ。

あとは自分たちの野球を体現するだけだ。「熱く、泥くさく、最後の1球まで全員でやりきる聖光学院らしいプレーをみせたいです」。まさにこれが代々受け継がれてきた「聖光野球」だ。聖地でも信念を貫き、1勝1勝、確実につかみとっていく。【木村有優】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【センバツ】聖光学院・竹内啓汰主将「自分たちの野球をするだけ」初戦は優勝経験ある常葉大菊川