カブス今永(2024年12月撮影)

【メサ(米アリゾナ州)4日(日本時間5日)=四竈衛】メジャー2年目を迎えるカブス今永昇太投手(31)が、パドレス戦で4回2安打無失点3奪三振と好投した。頭脳派らしく、事前に想定したテーマ別に課題をクリア。ドジャース山本と投げ合う日本でのメジャー開幕戦(同18日・東京ドーム)へ向けて、快調な仕上がりを披露した。

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調整段階とはいえ、高い目的意識を随所にちりばめたマウンドだった。オープン戦2試合目に臨んだ今永は、立ち上がりの入り方に留意した。「僕は初回に球数を使ってしまうタイプ。すごく慎重にやってしまう」。この日も24球を費やして3三振を奪った。「初回は大きな意味を持つ。球数がかかってもゼロに抑えるのは大事」。勝負を焦ることなく、無失点でスタートした。

課題に挙げてきた変化球の精度もアップした。1回、左打者シーツを外角へのスライダー2球で追い込み、最後もスライダーでハーフスイングの空振り三振。「ただ、いいリリースをしようということだけにフォーカスした。ひねろうともせず、曲げようともせず」。タイミングが取れず、戸惑うような打者の反応に、好感触だ。「捻転差(上半身と下半身のねじれ)もうまく作れて、リラックスした中でボールの重さも感じながら投げられた球もあった」。独特の「今永節」で感覚を表現した。

今季初登板となった2月26日からの体力回復も上々だった。前回登板時は「ちょっと体にダメージが残った」が「ある程度、心配はあったんですけど、うまくリカバリーもできた」。球数を増やしていくだけでなく、登板間のリカバリーもこの時期の確認事項。「肩、肘に問題がなければ不安なく試合に臨める」と、順調にステップを踏んできた。

初回に24球を投げながら4回50球と予定の60球に届かない“省エネ”ぶりで、尻上がりにペースを上げた。日本へ向かうまでの登板は残り1試合。「物事のクオリティーも大事ですが、この時期は質より量。自分で考えながらやれているかなと思います」。自らが今、置かれている状況、今後やるべきことを理路整然と語る左腕には、エースの風格が漂っていた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 今永昇太、4回2安打無失点3奪三振の好投「捻転差もうまく作れた」独特の“今永節”で感覚表現