【柏】新スタイルで躍動、埼スタ5季ぶり勝利で首位に つなぐサッカーでスタートダッシュ成功
<明治安田J1:浦和0-2柏>◇第4節最終日◇2日◇埼玉スタジアム
リカルド・ロドリゲス監督(50)が就任した柏が、敵地で浦和を2-0で下し首位に立った。直近2年は残留争いに巻き込まれ、堅守でしぶとく勝ち点を拾ったが、新指揮官が掲げるのは主導権を握ってボールをつなぐサッカー。開幕から3勝1分けで、4試合以上消化しての首位は、17年6月の第16節以来、8季ぶりとなった。既存の選手と新加入選手が融合し、過去4年間勝てなかった埼玉スタジアムでの勝ち点3。今季の柏の強さは本物だ。
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柏が序盤から新スタイルで躍動した。浦和のホーム開幕戦で5万人を超えるサポーターが駆けつけた敵地。相手のプレスをいなしながら多くの選手がかかわりボールを回す。相手を守備で走らせた。前半14分、DF小屋松が左サイドからミドル弾をゴール右上に突き刺し先制。同31分には、FW垣田がMF小泉のクロスを頭で押し込んだ。GK小島の好セーブもあり無失点。20~22年に浦和を指揮したロドリゲス監督は「とても素晴らしい前半を表現してくれた。後半は守備に回ったが選手がクロスに対処してくれた」とたたえた。
就任後はリカルドスタイルに合う選手をそろえた。徳島、浦和時代の教え子だけではない。Jリーグで同じような戦術を貫いてきた川崎Fでプレー経験があるMF原川、川井監督時代の鳥栖で主力だったDF原田。柏のアカデミーもパスサッカーの基盤を構築している。メンバー構成は昨季から大幅に変わったが、戦術に適合した組み合わせはスタートダッシュ成功の要因の1つだ。
1月の始動初日から戦術練習に入ることを事前に伝え、全選手がコンディションを整えてシーズンイン。体力づくりに時間を割かず、初日からボールを使って戦術理解を重ねてきたことも奏功した。
埼玉では20年7月22日の4-0勝利以来となる勝ち点3。DF古賀は「勝てたのはミカ(オルンガ)がいたとき以来。うれしい気持ちはある。後半は課題が出たけど、前半は自分たちのやりたいことを徹底できた。そこは評価してもいいかも」と手応えを口にした。次節から鹿島、広島と強豪との対戦。新たな柏スタイルをぶれさせることなく、高みを目指していく。【岩田千代巳】