【阪神】開幕投手・村上頌樹がコイ斬り!開幕戦相手広島2軍に好投、新球も見せつけ「いい感じ」
<教育リーグ:阪神3-2広島>◇2日◇日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎
任せろ! コイ斬り! 開幕投手に内定している阪神村上頌樹投手(26)が自身初の大役に向けて手応えを得た。
2日、2軍新本拠地となる「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」の2戦目、春季教育リーグ広島戦に2番手で登板。2回2安打無失点と上々の内容だった。オフから取り組む新球スライダーもキレ味抜群。3月28日広島戦(マツダスタジアム)に向けて23年MVP右腕が突き進む。
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ピッチャー、村上-。新球場のアナウンスにスタンドを埋め尽くしたファンがドッと沸いた。先発才木が3回5Kの奪三振ショーを演じたあとだけに「めちゃくちゃ投げづらかった」と笑ったが、自身に対する声援の大きさに「拍手がめちゃくちゃ大きかった。そうか、開幕投手をするからか、と」。2軍戦ではあるが、3月28日の開幕戦で対峙(たいじ)する広島との対戦。虎党もその姿を開幕に重ね合わせた。
今オフから取り組み始めた新スライダーが威力抜群だった。5回1死一塁、右打者ラミレスへの初球外角に逃げる同球種で、打者を泳がせ、一邪飛に打ち取った。「試しのスライダーもいい感じで投げられたのでよかった。空振りもとれましたし、アウトもとれていた」。全5球中3球をストライクゾーンに投じ、ボール2球もきわどいコースだった。23年MVPに輝いた右腕が武器としている制球力を、新球でも発揮。「コントロールもうまくできていたので、感覚はいいです」。新たな武器となることは間違いない。
スライダーともにこの日にテーマとしていた直球は15球披露。外角低めの見逃しでストライクを奪う場面も複数回あり、好調さをうかがわせた。「真っすぐもしっかり投げられた。1つ三振も取れたしよかった」と手応え十分。カットボール、ツーシーム、フォークも披露。開幕まで約1カ月ある中での実戦登板を有効活用した。「試したいやつは試せたのでよかった」と笑顔を見せた。
「これからイニングを増やして、開幕に合わせる。それまでにいろいろ試しながらできたらいい」。沖縄での開幕投手発表の際には「チームの勝てる人、顔になる人が投げている」とイメージを語っていた大役を任された。自身の好調維持は、先発ローテーションの安定、王座奪回につながる。右腕の準備プランは万全。“コイ斬り”で勢いを増し、ペナントレースを占う一戦でチームを好発進されるため、調整を続ける。【塚本光】