<明治安田J1:東京V0-1G大阪>◇第4節◇2日◇味スタ

東京ヴェルディ城福浩監督(63)は負傷者が3人続出するアクシデントにも「勝ち点を取らなければいけなかった」と悔しさをあらわにした。

G大阪相手にアクシデントが3つ重なった。前半14分にDF千田海人がスライディングした際に左太もも裏を痛めた。同37分にはFW山田剛綺がピッチに左足を強く打ち付け、ひざをゆがませた。後半37分には至近距離から相手シュートを頭に受けたMF福田湧矢が脳振とうで倒れた。直後の後半40分にFWジェバリに得点を許しての敗北だった。

90分通して見れば、シュート数が試合の浮き沈みを如実に表している。

前半はボールを握り、シュート数は5対1と優勢だった。決定機も2回作った。しかし、選手交代を経て後半は2対13と圧倒された。G大阪は前への推進力を出そうとサンフレッチェ広島からレンタルで獲得した満田誠を起用したことが流れを変えるポイントとなった。

城福監督は会見で悔しさをかみしめ、終わったばかりの試合をこう反省した。

「本来であれば押し返さなければいけないですし、前半のような自分たちが支配する時間をもう少し増やさないと、いわゆるこらえ切れなくなると思う。まさにそういうシーンだったと思う。(決勝点の場面は)逆サイドまでこう流れていく前にどうにかできなかったとか。クロスのところ、あるいはヘディングのところがジェバリが完全にマークが外れている。そこに対してもっとヘディングの前で何かできなかったかっていう個別のエラーはあるにせよ、このチームが勝ち点にこだわらなければ、おそらくJ1にはいられない」

相手に流れがあった中で、その中で押し切られてしまった。痛恨の念が言葉の端々ににじんでいた。

「苦しい時ほど、ちょっとした最後の判断の何か1ついいジャッジができれば、その相手に支配される時間があったとしても、最後は勝ち点1は取れたと思う。ジャッジのミスが3つ、4つ続くと、もちろん最後はバレーボールのAクイックのようなクロスにねじ込まれたんで。どうしようもないじゃないかと言ってしまえば終わりなんですけど、そこに至るまでいくつか我々はやらなきゃいけない」

負傷者が出たことにより、台所事情は厳しくなった。負傷者3人については「詳しいことは何も分からない」と話すにとどめたが、特に山田については長期離脱の可能性が高そうだ。そこへ4試合でわずか1得点と深刻なゴール欠乏症も悩みの種となる。

城福監督は「様変わりした前半と後半」と表現した上で、「やはり(選手の)底上げはもう緊急の課題だと思います。それはピッチの上でもメンタル的にもですね。ここは自分の采配も含めてもう一度ゼロベースで考えなきゃういけないというふうに思っています」。

序盤にして早くも試練に直面しているヴェルディ。特効薬などない。日々の練習からさらに危機感を強め、鍛え上げていく。若き選手たちの成長が待たれる。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【東京V】城福監督、不運も重なる敗北に「どうしようもないじゃないかと言ってしまえば終わり」