ヤクルト石川雅規(2025年2月23日撮影)

<番記者プロデュース>

ツバメ最高の○○の持ち主は? ヤクルト石川雅規投手(45)が24年目のシーズンを迎える。入団からスワローズ一筋を貫き、数多くのヤクルト戦士と共闘してきた。野球から私生活までいろいろなジャンルで、球界最年長左腕が実際に見た一番すごかった人は誰か-。納得の名前から、ちょっと意外な人も挙がりました。【取材・構成=上田悠太】

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※名前の後の数字はヤクルトに在籍した年

◆パワー ウラディミール・バレンティン(11年~19年)

特に60本打ったシーズン(13年)は本拠地が神宮とはいえ、全部がギリギリじゃないホームランでしたよね。フリーバッティングも金属音というか、破裂音のような音で飛ばすんですよ。もうイメージは振ればホームラン。ペタジーニ(99~02年)もパワーだけでなく、選球眼含め、めちゃくちゃ総合的にすごかった。でもパワーというジャンルでは、バレンティンが1番ですね。

◆ミート 青木宣親(04~11年、18~24年)

やっぱり青木のミートはすごかったですよ。崩されても芯に当てるっていうか、バットの面が長く見える感じで打つイメージですよね。投手からしても、追い込まれてからどう打てるか、対応できるかが、いい選手の条件だと思うのですけど、その部分でも青木はすごかった印象ですね。

◆走塁 三木肇(96~07年)

三木さんはもちろん足も速いのですけど、何より盗むのがうまかった。投手の動き、傾向、癖などをよく見ていた印象です。思い切りのよさもありましたよね。シンプルなスピードで言えば、並木(秀尊)ですね。三木さんは足は並木ほど速くなかったかもしれないですが、とにかくうまかったです。

◆肩 野口祥順(00~14年)、米野智人(00~10年)

う~ん、2人いいですか。プロに入って肩がすごいと思ったのは野口と米野。野口は肩を壊す前までめっちゃ強かったんですよ。自分が1軍に来た時のシートノックで、野口と米野のボール回しを見た時は「マジかよ、プロってすごっ」と思いました。今でも衝撃が残ってます。

◆内野守備 宮本慎也(95~13年)

別格じゃないですか。送球、捕球、ポジショニングと完璧。1歩目も速い。ピッチャーがここに投げるから、打球がここに来るだろうと予測しながら守られているので、1歩目がめちゃ速いですよ。「うわっ抜かれた」と思っても、簡単にさばいている。「そこも余裕なんだ」と何度も驚かされ、助けられました。土橋(勝征)さんも安心感がめちゃくちゃあり、助けられました。

◆外野守備 岩田幸宏(22年~)

うまい人を今までたくさん見てきましたけど、岩田はめっちゃうまいですよ。去年もたくさん助けられました。ボールがどこに来るかの予測ができてて、まず1歩目が速いですね。足が速いことに加え、ポジショニング含めトータルでいいですね。

◆直球 五十嵐亮太(98~09年、19、20年)

亮太の真っすぐはすごかったな。球が大きくなってくるイメージ。グゥワンって来る感じです。キャッチボールも怖いですよ。捕るのも怖いんだから、バッターも怖いですよね。亮太はイケイケどんどん、パワー系と思われるかもしれないですけど、アメリカでナックルカーブを覚えたりとか、めちゃ考えて野球やっているんですよ。常にアンテナを張って、どうやったら抑えられるかと考えていたのもすごいと思いますね。

◆変化球 高津臣吾(91~03年、06、07年)、石井弘寿(96~11年)

右だと、やっぱり高津さんのシンカーですね。あの抜け方はまねできないです。みんな憧れるし、試すのですけど、高津さんのようには難しいんですよ。左投手だと石井(投手)コーチのスライダーも強烈でしたよ。真っすぐの印象も強いと思いますけど、あのスライダー。まさに壁に当たってキュンって曲がるみたいな感じ。キャッチボールで捕るのも一苦労でしたね。

◆コントロール 高津臣吾(91~03年、06、07年)

これは監督ですね。真っすぐのコントロールがいいから、あのシンカーが生きているんですよね。僕がプロに入って、まずビックリしたことが高津さんのブルペンでのコントロールのよさなんですよ。アウトロー、インローにビタビタで、本当にそこしかいかない。一流のプロって、こんなにコントロールがいいのかと驚きましたね。

◆おしゃれな人 小川泰弘(13年~)

ライアンですね。洋服好きなんですよ。見ててもおしゃれだなと思いますね。もう僕は服は何でもいいですから。

◆グルメな人 佐藤賢(04~11年)

体形にも出ていますけど(笑い)。いろんなところのいろんなおいしい店を知ってますね。遠征先などで「どこかおいしいご飯屋さん、知らない?」と聞いて、教えてもらうこともあります。本当に助かりますよ。

◆聞き上手な人 小川泰弘(13年~)、石山泰稚(13年~)

ライアンと石山は聞き上手ですよ。いろいろな話をしますけど、2人とも優しくて、ちゃんと聞いてくれるので、助かってます。10歳ぐらい離れていますけど、現役の中では年が近い方なので、一緒にいることも多いですし、よく話を聞いてもらってます。

◆歌うまな人 三木肇(96~07年)

えっ~、誰だろう。あまりカラオケとか行かないから分からないけど、三木さんはめっちゃうまかったのを覚えています。声が通りますし。盛り上げ上手で、しっとり系も一通りうまかったですね。

◆太っ腹な人 高津臣吾(91~03年、06、07年)、石井弘寿(96~11年)

先輩たちはみんな太っ腹ですよ。ただ、高津監督と石井(投手)コーチには若い時にどれだけおごってもらったことか。おふたりには本当に車1台分ぐらいはごちそうになっています。

◆石川雅規(いしかわ・まさのり)1980年(昭55)1月22日、秋田市生まれ。秋田商-青学大を経て、01年ドラフト自由枠でヤクルト入団。1年目に12勝を挙げて新人王。08年最優秀防御率、ゴールデングラブ賞。入団1年目から23年連続勝利はプロ野球記録で、1年目からの23年連続安打は投手の最長記録。球宴出場2度。今季推定年俸4000万円。167センチ、73キロ。左投げ左打ち。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ヤクルト】球界最年長左腕・石川雅規が実際に見た各ジャンルで一番すごかった人は…?