【ソフトバンク】前田悠伍3者連続3球三振ショー 前夜入浴中にひらめき「いつも以上に腕振れた」
<練習試合:ソフトバンク1-6韓国・ロッテジャイアンツ>◇26日◇宮崎アイビー
開幕ローテーション入りへ、アピールの快投だ! ソフトバンク前田悠伍投手(19)が26日、練習試合の韓国・ロッテジャイアンツ戦(宮崎アイビー)に8回から5番手で登板。先頭に安打を許すも、無死一塁から3者連続3球三振ショーを演じた。9回はノーヒットで締め、2回1安打無失点、3奪三振。この日最速の144キロ直球を軸に、強気に攻め込んだ。残り少ない先発2、3枠へ、高卒2年目左腕が割って入る。
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目つきが変わった。8回無死一塁。前田悠がギアを上げた。相手8番を2球で追い込み、最後は外角直球で見逃し三振。続く9番、1番はともに空振り三振だ。いずれも3球で仕留め、衝撃的な3者連続3球三振ショーを演じた。「打者に球速以上に速い真っすぐをテーマに。いつも以上に腕が振れた」。この日の最速144キロ直球にはキレがあり、強気に攻め込んだ。9回は無安打に封じ、2回を1安打無失点、3三振を奪う快投だった。
投手の生命線とも言える直球の出力が戻ってきた。きっかけは前夜の入浴中。「ひらめいたというか…。力が逃げないような(投げ方を)…。急に思い浮かんできて、それが良かった」。風呂上がりに、すぐさまシャドーピッチングを開始。下半身の使い方を見直し、しっくりくる感覚を確認した。真っすぐが走れば、持ち球のチェンジアップ、スライダーなどの変化球も生きる。
当然、気持ちも高ぶった。24日までの実戦は調整の位置づけだったが、この日からは結果が問われ、開幕ローテ争いへ生き残るか、脱落かの本格バトルへと突入。それだけに「今日から評価されることは分かっていたので。強い気持ちで臨んだ」。宮崎春季キャンプでの紅白戦は2回を5安打2失点。思うような結果を出せず「アピールしきれない部分もあった。捨て身というか、どうなってもいいから思い切って投げようと思った」。投じた全球に思いを込めた。
狭き門だが、目指すべき場所がある。「開幕ローテーションは1つの目標」ときっぱり。すでに開幕投手の有原、モイネロ、大関が開幕ローテ内定。新加入の上沢は最有力の状況にある。4枠が固まり、残る先発枠は2、3枠で「まだまだアピールする立場なので。気を抜かずに、いい結果を残していきたい」と表情を引き締めた。高卒2年目左腕は、熾烈(しれつ)なサバイバルを勝ち抜く覚悟だ。【佐藤究】