練習試合 日本ハム対台湾・味全 1回表台湾・味全の攻撃を無失点で終え、ベンチに戻る日本ハム金村(撮影・足立雅史)

<練習試合:日本ハム12-3台湾・味全>◇24日◇沖縄・名護

開幕投手に指名されている日本ハム金村尚真投手(24)が、改良に取り組む縦のスライダーに手応えをつかんだ。台湾・味全との練習試合(名護)に先発。2度目の実戦マウンドは、3回で4安打を浴びながら無失点。要所で決定打を許さなかった。2回2死からはエース伊藤大海投手(27)から学び、故郷の沖縄で磨いた“美(ちゅ)ライダー”を左打者の膝下に落とし空振り三振。約1カ月後の大一番へ、新兵器の精度をさらに高めていく。

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金村が華麗に空振りを奪った。2回2死走者なし。カウント2-2から、内角へ沈む125キロのスライダーに味全・張政禹は全くタイミングが合わなかった。改良した“美(ちゅ)ライダー”のさく裂に「(これまでは)曲げようとして横の動きが強くなっていた。しっかり縦に体を動かした結果、抜け球が少なくなった」と、成功の要因を落ち着いて分析した。

理想はまだ先にある。空振りを奪っても首をひねった。より速い球速での変化を目指し「130キロ台前半になってくると使いやすい球になる。欲を言えば全球種が決め球になるような感じ」と見通しを語った。金村は日ごろから「ちょっとできないくらいが、常に物事を考えられる」と口にする。現時点で完璧に仕上がってないからこそ「ストレートの出力が上がってくると、おのずと変化球(の球速)も上がってくる。まずはしっかりと出力を上げられるように」と、進むべき方向を見失うことはない。

大役を任されて臨んだ沖縄・名護での春季キャンプを26日に打ち上げる。過剰に「開幕投手」を意識はしなかったが、「周りから認められないとっていうのを感じながら過ごしていました」と自覚を秘めていた。この日の“美(ちゅ)ライダー”は、捕手田宮から「よかったよ」と高評価。約1カ月後に迫った大一番へ「手応えは感じてますけど、まだ自信があまりない。今の時期は0点に抑えたからといっていいピッチングだったとは言えない」と、自身が納得する状態を目指す。【黒須亮】

◆金村の変化球 ツーシーム、カーブ、パワーカーブ、縦横2種類のスライダー、カットボール、スプリット、チェンジアップと多彩。直球の最速は154キロ。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】“美(ちゅ)ライダー”に手応え 開幕投手の金村尚真「縦に体を動かした結果」