中日対阪神 1回表阪神1死一、三塁、森下は左越え3点本塁打を放つ(撮影・加藤哉)

<オープン戦:阪神9-6中日>◇23日◇沖縄・北谷

心配ご無用! 腰痛で別メニュー調整が続いていた阪神森下翔太外野手(24)が23日、中日とのオープン戦(沖縄・北谷)に「4番DH」で出場し、初打席でいきなり3ランをぶちかました。雨降る寒空の下、とてもリハビリ明けとは思えない豪快なスイングで藤川球児監督(44)のオープン戦初勝利を飾った。別メニュー調整中に体幹を鍛え直し、打撃フォームも見つめ直した新4番。離脱した12日から12日目、より頼もしくなって最高のリスタートを切った。

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降りしきる雨の中、森下はくるりと腰を回転させ、ためらわずに強振した。とても腰痛明けとは思えない豪快な1発だ。試合開始直後の気温は13度。沖縄らしくない厚着が目立つ虎党の心を一気にホットにさせた。「ケガ明けでしかも4番。安心材料じゃないけど、1本出て良かった」。ダイヤモンドをクールに回り終えると、中野、佐藤輝からハイタッチで迎えられ、ようやく笑みがこぼれた。

初回1死一、三塁、カウント1-1。中日先発の涌井が投じた140キロの内角高め直球にロックオンした。左肘を器用にたたんで捉えた打球に、左翼カリステの足が止まった。復帰初打席でいきなりの3ランだ。「インコースのボールを、切れずにああやって打つことができた。すごく自分の中でも成長を感じる一打だった」。昨季までファウルになることが多かった内角高めをしっかりスタンドインさせ、自画自賛した。

12日に全体練習から離脱後、体を満足に動かせない期間は柔軟や体幹トレを強化。同時に打撃フォームの動画チェックにも時間を費やした。「打撃や守備だったり、いろんなところを見つめ直す時間にできた」。1月の久米島自主トレではソフトバンク山川から本塁打増のイロハを学び「内側からバットを出すイメージ」を追求した。自主トレで得た感覚を再確認し「自分の頭でイメージしたものを体で表現できた」。“けがの功名”か、この日は左肘をたたみ内側からバットを出す意識が結果を生んだ。

今季対外試合で初めて4番に座り、即座に結果を出した。「自分が4番にいるからには、チャンスの場面でしっかりかえせるように準備していきたい」と自覚十分だ。この日はDH出場となったが、藤川監督が「コンディションね、明日しっかりできたら」と話す通り、今後は状態を見て守備にも就く予定。「開幕からスタートダッシュを切れるように」。自身と向き合い成長した新4番の姿が頼もしい。【山崎健太】

◆阪神森下の今春キャンプ 初日からフリー打撃で柵越え1本。3日は強度を上げ、5本に増えた。8日の合同紅白戦では「4番右翼」で先発出場し、第1打席で中前打。だが第3クール2日目の12日、腰痛を訴え全体メニューから離脱した。13日からは完全別メニュー。16日にキャッチボール、17日に室内でマシン打撃を再開。18日から屋外フリー打撃で打球捕もこなした。20日からアップのみ本隊に合流し、前日22日には屋外フリー打撃を再開。39スイング中9本の柵越えを放っていた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】4番森下翔太、腰痛から復帰初戦の初打席アーチを自画自賛「成長を感じる一打だった」