会見で記者の質問に答えるドジャース大谷(撮影・菅敏)

【グレンデール(米アリゾナ州)20日(日本時間21日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(30)が、ここまでのキャンプを振り返り、「二刀流」の完全復活へ自信をのぞかせた。5月前後と見込まれる「投手大谷」の復帰プランは「今のところいい感じ」と自己分析。打者としては、今季も「1番」で起用する方針をロバーツ監督が明言。大谷は「もう試合に出られる感じ」と、近日中にもオープン戦に出場することになりそうだ。

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今キャンプ2度目となる大谷と日米報道陣とのセッションは、2年ぶりの復活を目指す「投手大谷」の現状と今後がメインテーマだった。これまでブルペンに2度入ったとはいえ、依然として打者相手のライブBPには登板していない。それでも、大谷は表情を変えることなく、ハッキリと言った。「やるべきことをしっかりこなしていければ、スケジュール通りのプランで投げられるんじゃないかと思います」。完全休養日を挟みながらも、復帰計画が予定通りであることに自信をのぞかせた。

18日のブルペン投球後、ロバーツ監督が絶賛したツーシームの修正版「パワーシンカー」への手応えも口にした。「シンカー系に関しては、スポットによって縦成分と横成分の変化は多少変わってくる。メカニクスもそうですけど。どこを狙うというか、どこのロケーションにボールが行っているかによって多少変わってくる。前回のブルペンに関しては比較的、ストライクゾーンの下の位置に集まっていたので、基本的に縦の成分が強かったのかなと思います」。鋭い落差の“新球”で投球の幅を広げる意図を説明し、取り組んでいるノーワインドアップでの投球についても「変化を求めていきたいと思っているので」と明かした。

今後は打者相手の投球に進むことになるが、現時点で不安は感じさせない。20年にもトミー・ジョン手術から復帰した経験があり、「ある程度、復帰するうえで自分の中で余裕を持てるのかなとは思う。あまり焦ることなく、自分のフィーリングが大事かなと思います」と冷静だ。

打者としては、昨季に続いて今季も「1番」で起用することをロバーツ監督が明言した。3月に日本で行われるMLB開幕戦でも「2番ベッツ」「3番フリーマン」のMVPトリオが、ズラリと並ぶことになる。依然として、大谷はライブBPの打席に立っていないものの、室内では最新機器「トラジェクト・アーク」で目慣らしを行うなど、準備にぬかりはない。「今日も打ちましたけど、実戦でも行けそうな感じではあったので、慎重にはなってますけど、感覚的にはもう試合に出られる感じかなと思っています」。無理に急ぐことなく、どっしりと-。メジャー8年目を迎える大谷の視線の最先端には、ワールドシリーズ連覇しか映っていない。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平「もう試合に出られる」今季も「1番」二刀流完全復活も自信「パワーシンカー」に手応え