欧州視察から帰国し、メディア取材に応じるサッカー日本代表の森保一監督

サッカー日本代表の森保一監督(56)が19日、26年W杯北中米大会までの来シーズンは欧州に駐在する考えを明かした。1月31日からの欧州視察から帰国。世界基準のチームを作る上で代表選手や所属クラブとのコミュニケーションを高める必要性を感じており、今夏から欧州に拠点を移す方針を公表した。指揮官自ら欧州に飛び込み、目指すW杯8強へ本腰を入れる。

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「私自身もヨーロッパに居住することを考えてて」。森保監督はさりげなく、日本代表強化への一手を口にした。多くの選手が欧州で活躍する中、日本から視察に出向くことへの違和感を覚えていたようだ。

「日本人選手が多くなる中、視察という言葉でいいのかどうなのかという気にさせられました」。国を超えて欧州全体がつながり、日常的にサッカーの話題があふれている中、日本にいながら情報を探ることへの限界も感じた。

1月31日に出発し、2月1日のボーフム対フライブルク戦を皮切りに、17日のリーズ対サンダーランド戦まで実に17日間で16試合。ドイツ、オランダ、イングランド、デンマーク、スイスと5カ国を渡り歩いた。フランクフルトでコーチを務める長谷部誠氏、ドイツ6部バサラ・マインツの監督兼オーナーの岡崎慎司氏と夕食をともにした。そこで考えた日本人のグローバルスタンダード化への思い。「夢を聞かせてもらって、未来に向けて話せるというのは私にとってもいい刺激になった」。自らもその境遇に身を置き、世界基準にどっぷりと浸かる覚悟を持った。

森保監督だけでなくローテーション制でコーチングスタッフも駐在する。欧州にいながらJリーグをチェックすることになる。これまでとは反対の方向からのマネジメントとなるが、代表選手と歩調を合わせるならしかるべき流れだろう。

「日本人がグローバルスタンダードというベースの力を持ちつつ、最大限の力を発揮できるようにどうするのか考えていかなければいけない」。選手の動向をつぶさに見て、クラブとも連係を図る。世界8強へのカギは欧州にあり。指揮官自ら本場の深い森へと入っていく。【佐藤隆志】

〇…森保監督はドイツでマインツMF佐野海舟(24)に会って話をしたことを明かした。8日のアウクスブルク戦(0-0)を視察し、その成長ぶりを目の当たりにした。「存在感が上がってきているし、信頼されている」。特長とするボールを刈り取る力は際立ち「ドイツでもトップレベル」と絶賛し、その様子についても「今やれるという自信と、もっとやらなければいけないという、いい顔をしていた」と話し、今後の招集もにおわせた。また、3月のW杯最終予選に向けてスポルティング守田、フェイエノールト上田ら主力選手に負傷者が続出しているが、「日本代表の選手層は厚い。オレがやってやるという野心を持っている選手がいる」と不安はなかった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本代表】森保監督、移住決意 「視察」に違和感 欧州クラブ所属選手と密なコミュニケーション