練習試合・阪神対広島 9回表広島2死、内田は中前打を放つ(撮影・上山淳一)

<練習試合:阪神0-11広島>◇16日◇沖縄・宜野座

開幕前哨戦で大暴れだ。広島内田湘大内野手(20)が阪神相手に4安打5打点をマークし、11得点の打線をけん引した。

2回2死二、三塁から先発伊藤将の初球ツーシームを引っ張り、先制2点適時打。5回1死一、二塁では、代わったばかりの石黒の初球を強振。右中間を破り、2人の走者を迎え入れた。7回は追い込まれながらノーステップ打法に切り替え、今度は左中間を破る適時二塁打。「自分が狙った球を一発で仕留められたので良かった。しっかり準備して、自分の間合いで打つことができるように。空振りも怖がらないように心がけました」。9回にも中前打を放ち、4安打の固め打ちで猛アピールした。

衝撃音のような打球音が、スイングの強さを示している。昨季まではタイミングの取り方が課題だった。1月に自主トレをともにしたカブス鈴木からの助言で、フォームを矯正。構えのときに広げていた両足を狭め、シンプルに始動する形に変えた。無駄が省かれたことで、もともとチーム内でトップクラスだったスイング速度から生み出す力がよりバットに伝わるようになった。

攻撃的な姿勢も強さの証しだ。前日から2戦連続先発起用された全8打席、すべてファーストストライクを振っている。8打席で5安打1四球5打点。新井監督も「どんどん自分から仕掛けていける。空振りしても、しっかり強いスイングができている」と認める。

打撃の形が固まったことで、実戦の中で対応力が磨かれている。「1球1球しっかり考えながらというか、打席の中で考えつつも、消極的にならずにいけてるのがいいのかな」。7回の打席では対投手ではなく、バッターボックスの感覚からノーステップに切り替えた。急成長を見せる20歳の存在感が、一気に高まっている。主戦場とする三塁にはレギュラー小園がいるが、内田が狙うのは開幕スタメンだ。新井監督はうれしい悩みに「本人も何かつかみかけているんじゃないかな。いろんな可能性を探っていきたい」とどこかうれしそうだった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【広島】開幕あるぞ!20歳内田湘大大暴れ、積極打法で4安打5打点 鈴木誠也の助言で開眼の予感