舩木翔(2023年6月)

<明治安田J1:G大阪2-5C大阪>◇第1節◇14日◇パナスタ

セレッソ大阪が、大阪ダービー史上で自軍最多5ゴールを奪い、敵地で満点の開幕スタートを切った。1得点1アシストのMF香川真司(35)や、2得点1アシストのFW北野颯太(20)らが派手な活躍を見せたが、両翼も新たな進化を遂げていた。

北野が挙げた1点目は、左サイドバック(SB)のDF舩木翔(26)が内側に大胆に切り込み、同じく内側に進入してきた右SBのDF奥田勇斗(23)へ展開。そこから最前線のFWラファエル・ハットン(29)に斜めのパスをあて、こぼれ球を香川が倒れながら北野へアシストした。

のべ8人がテンポよく得点にかかわった。両翼がダイナミックに動くことで、敵陣で相手を完全に崩しきった。オーストラリア人のアーサー・パパス新監督(45)が求めていた得点パターンの1つだ。

下部組織出身のプロ9年目、舩木は「監督からはインサイドを取れと言われていたし、あのタイミングでは自分がうまく中央に入って、勇斗が高めの位置にステップアップしてくれた。もう少しああいう場面を増やしていければ」。

ユースまでG大阪で育った桃山学院大卒2年目、奥田は「ハットンへのパスは意識していたし、結果的にもよかった」。

1-1や3-2のスコアに攻め寄られた時は、G大阪の圧力を感じ、逆転を許す展開も考えられた。それでも追加点を奪う考えは、チーム内に統一されていたという。

「1点取っても、2点目、3点目を取りに行く意識がある。ボス(パパス監督)からも、そう言われている」と、昨季は21試合1得点で非凡なシュートセンスも見せた奥田。

1月の宮崎キャンプで左SBのDF登里享平(34)が右太もも裏肉離れで当面は離脱が続く。2番手のDF高橋仁胡(19)は、U-20アジア杯出場のために中国へ遠征中。本来は左SBが本職も、センターバック(CB)に軸足を置いていた舩木が、窮地を救えたのも大きい。

ただ、昨季も開幕5勝3分けで一時首位に立つが、その後は停滞。最終的に10位に終わった。「まだまだ負けてられない」という舩木の表情には、油断も慢心もなかった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【C大阪】舩木翔「うまく中央に入れた」進化遂げた奥田勇斗との両翼がパパス監督の攻撃を具現化