大谷翔平「順調」“二刀流”完全復活へフル回転 柵越え10本「振れている」力強く20球「満足」
【グレンデール(米アリゾナ州)12日(日本時間13日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(30)が、2年ぶりとなる「二刀流」での完全復活へ向けてフル回転で躍動した。「打者」として同地では初めて屋外フリー打撃を披露し、18スイング中10本の柵越えをたたき込んだ。「投手」としては、捕手が座った状態で力強く20球。投手陣全体の守備練習にも参加した。「世界で最も練習メニューの多い野球選手」が、早くも全開モードに入った。
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大谷の黒バットが描く放物線に盟友ベッツがニヤニヤしたかと思えば、新加入の金慧成(キム・ヘソン)はポカンとした表情で落下点を見届けた。今キャンプ初となる屋外フリー打撃は、やはり大谷の「Show Time」となった。当初は納得のいかない弾道に首をかしげる光景も見られた。だが、3スイング目にアーチを架けると、徐々にギアを上げた。最後は6連発でフィニッシュ。18スイングで10発を仕留める豪快なショーで、詰めかけたファンから喝采を浴びた。
日本での開幕戦から逆算したプランに、「今のところ順調」と不安はない。その一方で、オフに手術した左肩の状態が100%ではないことを明かした。「完全に違和感がないという状態ではない」と、依然、可動域に制限がある状態を説明した。「しばらくは違和感が残るんじゃないかと思いますが、現状、それでもバットは結構振れているので、そこの戦いかなと思います」と、冷静な自己分析を口にした。
5月前後の復帰が見込まれる投手としても、精力的だった。練習メニューに名前は記されていなかったものの、投手陣の守備練習に参加。山本らと同組でノックを受け、けん制の練習を反復した。キャッチボールの終盤には、捕手が座った状態で20球。故障後は封印していたスイーパーを試投するなど、新たなステップを踏んだ。「投球はいいと思います。ある程度、出力と強いボールを投げていたので、そこは今日は満足しています」。近日中にもブルペン入りする予定で、「投げやすさ、動きやすさが大事。それが1球の質を高めていく一番の要因」と、ノーワインドアップへのフォーム改良の意図も明かした。
大谷の場合、「二刀流」だけでなく、走力強化トレも並行しており、「世界で最も練習メニューの多い野球選手」のキャンプは超多忙を極める。「実戦の打席数、ライブBPの回数であったりとかは限られる。その1回は大事にしたいですし、万全の状態で最初から最後までいい量をこなせるわけではないので、本当は1回1回の質が大事になってくると思ってます」。投打とも入念な練習計画に基づいており、現時点では上々のペース。事実上、「2人分」の練習量をこなす超人ぶりは、今年も変わっていない。