【ヤクルト】奥川恭伸、前進 スライダーでオスナのけぞらせる「ちょっと近づいたかな」高津監督
完全復活へ、また1歩前進だ。笑顔のヤクルト奥川恭伸投手(23)はホッとした表情でマウンドを降りた。
沖縄・浦添キャンプ第3クール2日目で初実戦形式となるライブBPに登板。最速146キロ直球に変化球も交えて計22球を投げ込んだ。浜田、オスナ、長岡、岩田、丸山の打者5人に対し、安打性は3本のみ。右のオスナには126キロスライダーが外角に決まって、見逃し三振。「スライダーが良かった」と強打者の腰をのけ反らせる、得意球のキレが光った。
高津監督もうならせた。21年に9勝をマークした時期と重ね合わせ、「制球も良く、変化球もキレていた。ちょっと近づいたかなと思います」と評価した。今後はライブBPにもう1度登板予定。今キャンプではブルペンに3度入り、ここまで順調に進んでいる。指揮官は「シーズン24試合投げられる体であってほしい。尻をたたいてやらせていきたい」とフル回転の活躍を熱望する。
22年、23年は右肘痛や腰痛の影響で0勝に終わった。昨季980日ぶりの白星を挙げ、長いトンネルを抜けた23歳は「けがなく1年間1軍で完走すること」が目標と力を込める。開幕に照準を合わせ「まずまず、一発目の実戦としては良かったかな」と手ごたえも十分だ。ライブBP降板時には、詰めかけた1813人から拍手が沸き起こった。愛された「背番号18」が、チームスローガン「捲土重来」のごとく復活する。【佐瀬百合子】