キャッチボールの合間に笑顔を見せるドジャース大谷(撮影・菅敏)

【グレンデール(米アリゾナ州)8日(日本時間9日)=四竈衛】2年ぶりに「二刀流」復活を目指すドジャース大谷翔平投手(30)のブルペン入りが、いよいよ秒読み段階に入ってきた。

同地入り後6日連続で自主トレを行い、強めの投球練習やハードな下半身強化メニューで調整。早ければ11日(同12日)のバッテリーキャンプ初日にもブルペン入りする可能性が出てきた。

   ◇   ◇   ◇

平地とはいえ、捕手が座った状態での投球練習で、大谷は集中力を高めて腕を振った。10球投げた後、約3分間のインターバルを挟むなど、細心の注意を払いながらも、徐々にアクセルを踏んだ。最後は予定の10球目が上ずったため、1球を追加した。後方で球速を計測するスタッフに数値を確認すると、さらにもう1球「おかわり」。それでも、目標の数値に届かなかったのか、グラブをたたきつけるようなアクションで周囲を笑わせた。

計22球と現時点で球数は少ないものの、無駄のないスムーズな新投球フォームに、23年のトミー・ジョン手術、昨年の左肩手術の影響は見当たらない。すでに傾斜のついたプレート板からの投球プログラムも並行しており、いつでも次のステップへ進める段階に入った。

ド軍の投手陣は、キャンプ中、それぞれ実戦やフリー打撃、ブルペンを含めた「登板日」のサイクルが決められており、大谷も基本的には例外ではない。同地入り後、過去6日間の練習ペースからも、公式戦を見据えた中6日であれば、最短で11日(同12日)にもブルペン入りする可能性は高い。米国内で自主トレ中の山本をはじめ、他の投手陣はすでにブルペン入りしており、大谷がやや出遅れていることは事実。その一方で、同地での動きからも、ロバーツ監督が残した「(大谷の投手復帰は5月よりも)早まるかもしれない」とのコメントも、あながちリップサービスには聞こえない。

投球練習後は、下半身強化トレのほか、「メディスンボール(大きな重いゴムボール)」を連続で約10メートルの高さまで放り上げるなど、負荷の高いサーキットトレで体をいじめた。同地入り後は、6日連続の「皆勤賞」。メジャー8年目のキャンプインへ向け、大谷が最後の追い込みに入った。

◆「投手大谷」の調整ペース アリゾナ入り後、2日目となる4日、大谷は捕手が座った状態でほぼ全力で20球を投げ込んだ。翌5日が「ノースロー」だったことからも、公式戦中であれば4日は登板日として想定される。そこから中3日となる8日のこの日は、調整目的の「ブルペン投球」に該当。その後、中2日で11日の実戦登板に備える流れと見込まれる。今季のド軍は先発ローテ6人制を採用する予定で、長期連戦を含めても「二刀流」の大谷は中6日を維持する可能性が高く、今後は一定のペースで仕上げていくことになりそうだ。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平、キャンプ初日ブルペン入りの可能性 肘と肩の手術影響見当たず いよいよ秒読み段階に