【阪神】レギュラー争いに波乱起こす!?新外国人ヘルナンデスが初実戦で存在感、初安打初打点
<阪神紅白戦:白組1ー5紅組>◇8日◇沖縄・宜野座
こりゃ、ホンマに掘り出し物かもしれんで! 阪神の新外国人ラモン・ヘルナンデス内野手(28=メキシカンリーグ)が8日、25年チーム初実戦となる宜野座組・具志川組合同の紅白戦(宜野座)でいきなり存在感を放った。紅組の「4番DH」で先発出場し、2打席目に右翼線へ大飛球の適時二塁打を決めた。虎デビュー戦で初安打初打点を記録し、今日9日は「4番三塁」でスタメン出場予定。推定年俸5000万円に満たない新助っ人がレギュラー争いに波乱を起こす!?
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いかつい体格に似合わず、バットコントロールが柔らかい。ヘルナンデスが右翼線に高々と打ち上げると、宜野座球場を外野席まで埋め尽くした観客からどよめきが起こった。
3回1死一、二塁の第2打席。右腕石黒の初球だ。外角高めの直球系を逆らわずに振り抜いた。大きな弧を描いた大飛球は南国の逆風に押し返されながら、それでも右翼ポールの手前まで届いた。適時二塁打だ。
「自分の結果はコントロールすることはできないけど、この日を迎えるためにしっかり準備してきた」
虎デビュー戦で初安打初打点をマーク。推定年俸30万ドル(約4700万円)の格安助っ人があいさつ代わりの一撃を決めた。
身長193センチ、体重102キロ。昨季メキシカンリーグ22本塁打の長打力はだてではない。今キャンプは初日から4日連続でランチ特打に登場。第1クール2日目には56スイング中11本の柵越えを放った。自慢のパワーを見せつけつつ、日本野球に対応するために取り組んでいるのが逆方向への意識なのだという。
「藤川監督からも右方向への意識を常に言われていたので、マシン打撃でも取り組んできた。それが結果に出て良かった」
来日初実戦では外角の直球系を右方向へ。キャンプでの取り組みが早速、結果につながった。指揮官も「練習の時からできていることがしっかり表れた」と広角打法に納得顔だ。
この日はDH出場となったが、守備位置は一、三塁がメイン。過去には左翼守備の経験もある。現状、三塁レギュラーは佐藤輝が大本命、左翼は伸び盛りの前川が筆頭格。とはいえ、新助っ人が今後もアピールを続ければ、波乱が起きる可能性は十分ある。
この日は全体練習前に佐藤輝とともに約30分間、三塁特守で守備力を磨いた。今日9日の紅白戦は「4番三塁」でスタメン出場する予定だ。
「しっかり準備することが大事。他の選手を見て勉強しながら実戦に移っていきたい」
レギュラー争いの「台風の目」となれるか。「カリブの怪人」の成り上がりストーリーに要注目だ。【山崎健太】
◆阪神の三塁&左翼争い 三塁は昨季120試合に出場した佐藤輝がレギュラー最有力。具志川キャンプスタートで経験豊富な糸原、渡辺らが控える。左翼は昨季初めて1軍を完走した高卒4年目の前川が筆頭候補。井上、井坪、野口ら若手の激戦区で島田、小野寺らもチャンスをうかがう。ヘルナンデスは一、三塁、左翼もできる助っ人として、レギュラー争いを激化させている。
▽阪神小谷野打撃チーフコーチ(紅白戦で野手陣が両軍合わせて18安打6得点)「取り組んできたことのテーマに対して実戦でやれたというのが今日はすごくよかった。結果で判断しない」