ブルペンで投球する楽天藤平(撮影・鈴木みどり)

楽天藤平尚真投手(26)が7日、寒さを吹き飛ばす熱投を演じた。沖縄・金武キャンプ第2クール2日目。気温12度と南国らしくない気候の中でブルペン入りし、今キャンプ最多の118球を投げ込んだ。

ホップ成分の高い直球でブルペン捕手をうならせ、最速は147キロをマーク。昨季、中継ぎ転向1年目で勝ちパターンを担った剛腕リリーバーが、威力のある真っすぐで存在感を示した。

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「よいしょ!」。ブルペンに藤平の気迫のこもった声が響いた。気温12度と肌寒さがある中で118球の熱投。ユニホームにはびっしょりと汗がにじんだ。当初は60~70球を目安にしていたというが「思いのほか体もしっかり動いてましたし、すごいいい状態で投げれてたんで、そのまま投げ込みに入った」。最速は147キロをマークした。

ボールを受けたブルペン捕手は威力のある直球について「いい成分」と絶賛した。その言葉を受けて藤平は「昨年のキャンプの時よりもホップ成分が今日で言うと15センチぐらい高かった。自分でも上からしっかりボールをたたいて、縦に縦にボールを伸ばすイメージで自主トレからやってきた。その成果はすごい数字で感じられて良かった」とうなずいた。

ホップ成分を上げるために意識しているのは回転軸だ。「数字で言うと、1時から1時30分方向のボールの指の角度、去年はそんくらいだったんですけど、今日、大体12時半から12時45分の角度だったので、しっかりボールを上からたたけてるイメージ。ボールがしっかり寝ないでしっかり上からたたくイメージで投げられたんで、そこはすごい自分でもいいところかなと思う」と力を込めた。

藤平は昨季、先発から中継ぎに転向。47試合に登板し、0勝1敗、1セーブ、20ホールドとブレークした。昨秋には侍ジャパンに初選出され、プレミア12に出場した。「もう1回、7、8、9(回)をつかみ取りに行くぞという気持ちでやってますけど、周りからの見られ方は去年と全然違うなって、すごい自分でも感じている。そこをしっかり受け止め、あんまり浮足立たないように地に足をつけてやっていきたい」。今季も勝ちパターンを担い、チームに多くの歓喜をもたらす。【山田愛斗】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【楽天】藤平尚真「ホップ成分」高めの直球に手応え「縦に縦にボールを伸ばすイメージで」