日本ハム紅白戦 3回に左越え本塁打を放つ今川(撮影・黒川智章)

日本ハム今川優馬外野手(28)が25年シーズンの“12球団1号”をマークした。4日、2軍キャンプ地の沖縄・国頭で行われた紅白戦に紅組の2番左翼でスタメン出場。3回に北浦から左中間へソロ本塁打を放った。視察に訪れた新庄監督も1回に選んだ四球を含めて高評価。昨季0本塁打の崖っぷち道産子が、いきなりの猛アピールで激戦の外野レギュラー争いのスタートダッシュを決めた。

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執念の一振りが、大きなインパクトを残した。今季初実戦に臨んだ今川が、打席でスイングをしたのは1度だけ。3回2死の第2打席の初球を捉えた。「完璧でした」と左中間の防球ネットに突き刺さる12球団一番乗りのアーチを放った。

今川 僕は毎日毎日アピールしなきゃいけない立場。1打席1打席、命懸け。気持ち込めて、やるだけ。

その猛アピールは新庄監督の心にも突き刺さった。

新庄監督 よかったね~、今川君。ホームランもよかったけど、その前の1打席目。3ボールから打ちたいところを我慢して四球。こういう結果が増えてきたら面白い。一気にレギュラーを取るかもしれない。

今川が1度も振らなかった1回の第1打席。フルカウントから、左腕根本が投じた膝下に食い込むスライダーを見極めて四球を選んだ内容が高評価された。

今川 (オフに新庄監督からDMで)『もっとタイミングを早く取れないと試合で使えないよ』と。2、3年前から言われていて、やっと感覚がつかめてきた。うまく間を取れたので1回の四球になったと思う。

1月に米国で自主トレを行った際に打撃フォームの体重移動をなくした。頭が突っ込む悪癖を消し、低めのボールを見極められるように対策。同時に早い始動とインパクト時の速いスイングも確立して、試合に使ってもらえる打撃の感覚をつかんできた。

昨季までは新庄監督から手厳しいコメントも多かったが、大絶賛の嵐に「沖縄、雪降っちゃうかも知れないですね」。昨オフは戦力外も覚悟した道産子スラッガーが気温10度前後と寒かった国頭で手応え十分の笑顔を見せた。【木下大輔】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】今川優馬“12球団1号”猛アピール「沖縄雪降っちゃうかも」新庄監督は四球も評価