【巨人】田中将大「崩れていた」フォーム大改造着手「幸せなこと」久保コーチから熱血指導1時間
復活へ、ニュースタイルで臨む。巨人田中将大投手(36)が宮崎春季キャンプ初日となった1日、フォームの大改造に着手した。ウオーミングアップ後に背番号「11」のユニホーム姿を初披露。午前はキャッチボールやゴロ捕球などのメニューを消化し、午後からは久保康生巡回投手コーチ(66)から約1時間にも及ぶ熱血指導を受け「こういう風に、言っていただけることは幸せなこと」。ブルペン入りせずも、キャンプ初日から濃密な時間を過ごした。
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忘れていた感覚がよみがえってきた。田中将の表情が充実ぶりを物語っていた。久保コーチとのみっちり約1時間にも及ぶ、マンツーマン練習を終え「そんなにやってましたか」とニヤリ。それでも「本当にこういう風に、言っていただけることは幸せなことなので。ありがたいです」と名伯楽の熱のこもった指導に感謝した。
濃密な1日だった。午前10時過ぎ、ウオーミングアップを終えると、背番号「11」のユニホーム姿を初披露。多くのファンや報道陣の視線を浴びながら、キャッチボールやゴロ捕球をこなした。ランチをはさみ、午後は久保コーチとネットスローを実施した。逆傾斜を使って約100球を投げ込むなど、合計で約120球。「疲れました」と言うものの、充実感いっぱいの表情で振り返った。
未勝利に終わった昨季からの巻き返しを図る。キャンプインまでに久保コーチと対話を重ね、復活への方向性を定めた。当初は、キャンプ序盤でのブルペン入りを想定していたが「これまでに何度かお話をして。『こういう方向で進めていこうと思うんだけど、どう思う』っていう風に、お互いコミュニケーションを取って」。納得した上で、二人三脚でのフォームづくりに着手する。
追い求めるのは、無双を誇った全盛期の頃の姿。ヤンキースから楽天に復帰した21年からの4年間は20勝にとどまる。「昔は自然とできてた部分が、少しずつ少しずつ崩れていって、大きな崩れになっていっている」と自らを分析。久保コーチも「やっぱりね、勝ってる時期っていうのはすごく(フォームが)正しいよね。偶然じゃなくて必然的なものもあるんですよ」と、シーズン24勝をマークした13年の楽天時代のような姿をよみがえらせる。
ユニホームも投球スタイルも一新して、25年シーズンは“新風”を吹かせる。「感覚をガラッと変えようとしているので、大きな違いを感じてますけれども。うまく投げられた時の感覚はすごくいいので、なんとかものにしたいなという気持ちでいます」。ニュースタイルのマー君が、セ界を席巻する。【水谷京裕】
○…巨人の久保巡回投手コーチが、田中将への「逆傾斜ネットスロー」の意図を説明した。マウンドの傾斜の低いところから高いところに向かって、左足を着地させる練習を実施。「(今の田中将の投球フォームは)投げたい方向に対して、自分の体がすぐ向かっていく、そして手がもつれる。逆にすると、なかなか足が着けなくなる。体重移動がより前に強くなっていくという、そういう狙いもあります」と話した。