【京都】愛媛とのTMに4-1快勝 曹貴裁監督は「非常に楽しみなシーズンになる」と手応え
京都サンガF.C.は1日、サンガスタジアムでJ2愛媛FCと練習試合を行い、計4-1で勝利した。
45分×3本で行われた試合の1本目は、時間の経過とともにアグレッシブな動きで愛媛に圧力をかける展開。プレッシングからの高い位置でのボール奪取も効果的で、3トップの中央に入ったFWラファエル・エリアス(25)は攻守で存在感を発揮。前線や中盤は流動的にポジションを入れ替えながら、スイッチが入った時には迫力ある攻撃を披露した。得点は30分にDF佐藤響(24)が決めた1点にとどまったが、さまざまな形から決定的な場面をつくった攻撃は、相手の脅威となった。
新加入MFジョアン・ペドロ(25)、DFパトリック・ウィリアム(27)が早くもフィットしていると感じさせるプレーを見せたのも好材料となった。特にジョアン・ペドロは攻守両面で質の高いプレーでチームをけん引。しなやかな動きで何度もボールを奪い、多彩なキックで決定的な場面も演出し、アンカーに入った際には効果的な配球でゲームをコントロールした。
2本目は13分に愛媛に同点とされたが、44分にMF中野瑠馬(22)が右足で豪快に決めて2-1とし、3本目にはDF須貝英大(26)と京都U-18所属のMF酒井滉生(17)が得点した。
曹貴裁監督は1本目での得点力を課題としながらも、狙いが出た内容に一定の評価をした。「自分たちが狙っているというか、積み上げていかなきゃいけないところでのゴールは取れた。非常に楽しみなシーズンになるなと思った」。負傷中の選手は出場を回避させた中でも、持ち味を出した戦いに手応えを得た。
指揮官は、より積極的に前線から守備に行く場面が見られた全体の守備についても言及。「1試合の中で1~2回ある大きなピンチを怖がって、自分たちが得意とするものを封印していたら、他のチームと何も変わらない。我々のインテンシティー(強度)がJリーグの中で1番で、世界的に見ても高いというのはJリーグのリポートにもあった。そこを出さずしてやる戦術やサッカーはない。ちょっと無謀だなと思われる感じを自分たちのものにしていけば、相手にとって間違いなく嫌なのは間違いない。自分たちにしかできない、自分たちがやってきたものを大事にしながら、クロスの精度や入り方を整理していきたい」。指揮を執って5シーズン目となる開幕を前に、強みを全面に出して戦っていくことをあらためて宣言した。開幕まで2週間、今季は開幕から京都らしさ全開の戦いが見られそうだ。【永田淳】